つむぎ橋 てぃーだ橋

つむぎ橋

てぃーだ橋

 久米島は沖縄本島那覇市の西方約100kmの東シナ海に位置し、島の南東海岸部には美しい海浜が広がる県内有数の観光地です。

 一般県道久米島一周線は、久米島空港を起終点とし、久米島外周の集落を経由しながら観光地を連絡する重要な道路です。

 そのうち、久米島町真謝から同町下阿嘉までの区間は、幅員狭小で線形も悪いことから、道路交通の安全性向上、観光振興及び地域活性化を図るため、拡幅及び線形改良を実施してきました。

 つむぎ橋、てぃーだ橋は、久米島の雄大な海をバックに眺望の開けた位置に建設され、美しい風景に調和する構造美が新たな観光資源となることが期待されています。

 橋梁名は、地元の小中学生を対象とした公募の中から、島の名産品である久米島紬や太陽を意味する方言「てぃーだ」にちなんだ案「つむぎ橋」及び「てぃーだ橋」が採用され、平成25年11月に開通しました。

橋梁概要

路線名一般県道久米島一周線
所在地沖縄県久米島町真謝~下阿嘉
橋長つむぎ橋  160m
てぃーだ橋 457m
構造形式つむぎ橋  7径間連続PC中空床版
てぃーだ橋 8径間連続PC箱桁+5径間連続RCアーチ
設計荷重つむぎ橋   B活荷重
てぃーだ橋  B活荷重
支間長つむぎ橋   21.65m+5@23.00m
てぃーだ橋  33.50m+6@34.00m+33.50m+30.00m+28.50m+3@43.00m+25.50m

所在地

内藤橋

 本路線は、福岡県大牟田市を起点とし、熊本市北区植木町の国道3号に至る重要な幹線道路で、本路線にある内藤橋は菊池川を渡河する玉名郡和水町に位置しています。近隣には、九州縦貫自動車道の菊水インターがあり、玉名市及び荒尾市方面からのインターへのアクセス道路としても重要な路線です。昭和初期に完成した旧橋は、幅員が6m程度と狭く大型車の離合が困難であり、自転車・歩行者の安全な通行にも支障をきたしていました。また、完成後50年以上が経過し、老朽化が著しく、地元からも早急な架け替えが望まれていました。

 架け替えにより、安全で円滑な交通が確保され、和水町及び玉名地域の産業経済、観光産業の活性化に寄与しています。

橋梁概要

路線名主要地方道大牟田植木線
所在地熊本県玉名郡和水町
橋長225m
構造形式PC4径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大61m

所在地

南筑橋

 南筑橋は、一級河川矢部川に架橋された橋長248.0m、中央支間長110.0mの3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋です。一級河川矢部川は、国定天然記念物である「ゲンジボタル」の生息地であり、また江戸時代に治水対策の一環として植えられたといわれる楠木林は、全国でも珍しい密生繁茂林となっています。

 橋梁設計にあたり、これらの周辺環境、沿道の現況を鑑み、広い視野から橋梁景観や経済性に関する基本的な検討審議を行うため、「矢部川橋梁景観検討委員会」を設置し、シンボリックで景観に優れたエクストラドーズドPC橋に決定しています。

 エクストラドーズドPC橋は構造的に見て、一般桁橋と斜張橋の中間に位置し、従来主桁内部に配置されていたPC鋼材を、桁の外側へ大きく偏心して配置した橋梁です。一般桁橋に比べ桁高を低く抑えることができるため、桁自重の軽減を図ることができます。また、主塔高は斜張橋の半分程度にできるため、施工性にも優れています。

橋梁概要

路線名一般県道 唐尾広川線
所在地福岡県みやま市瀬高町小田~福岡県筑後市溝口
橋長248.0m
構造形式3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長69.0m+110.0m+69.0m

所在地

日見夢大橋

 日見夢大橋は、平成16年3月27日に開通した長崎自動車道長崎IC~長崎多良見IC間の長崎市芒塚町に位置し、一般国道34号、同日見バイパスを横過して長崎芒塚ICに接続しています。周辺の地形は、東に橘湾を望むなだらかな丘陵地が続き、他の三方は急峻な山地に囲まれた眺望景観の美しい場所で、歴史国道に認定された長崎街道に近接しており、その一方で、昭和57年の長崎大水害において、大規模な土砂災害による甚大な被害が発生した場所でもあります。

 このような場所に位置する本橋は、当時の水害における土石流流下範囲外でかつ国道を外した箇所に橋脚を必要とした結果、全長365m、最大支間長180mの3径間のPCエクストラドーズド橋が選定されました。更に、品質管理や維持管理を考慮した全外ケーブル構造への見直しを行ったところ、PCケーブル定着体及び偏向部の追加により上部工重量が増加したことから、従来のコンクリートウェブに替わり軽量化が図れる波形鋼板ウェブを採用しました。この結果、世界で初めてPCエクストラドーズド橋に波形鋼板ウェブを採用した橋梁となりました。

 この新しい橋梁形式の採用にあたり、斜材定着部の鋼製ダイヤフラムや波形鋼板ウェブの安全性について、実橋1/2モデル実験や風洞実験により確認・検証を行うとともに、施工においても、超大型特殊ワーゲンによるブロック数の長大化・低減化や主塔定着部の鋼殻構造による施工省力化により、国道上空での作業時間の短縮が図られ、ワーゲン設置から床版閉合まで約12ヶ月(コンクリートウェブの約3分の2)という短期間で無事完了することが出来ました。

 日見夢大橋は、エクストラドーズド橋の独特の外観及び波形鋼板ウェブによる低い桁高、曲線を多用した橋脚など、周辺の景観や歴史、自然との調和を図りつつ、また、長崎の玄関口としてのランドマークとして、地域に末永く親しまれることを希望しています。

橋梁概要

路線名長崎自動車道
所在地長崎県長崎市芒塚町
橋長365m
構造形式3径間連続波形鋼板エクストラドーズドPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大180.0m

所在地

栄川運河橋

 

 栄川運河橋は、地域高規格道路山口宇部小野田連絡道路の主要区間である宇部湾岸道路(延長6.0km)の栄川運河を横断する橋梁であり、湾岸エリアのランドマークとなっています。

 本橋の特徴は、橋梁形式が3径間連続複合斜張橋(主径間:鋼桁、側径間:PC桁)で、主径間(鋼桁部)の平面線形がS字型であり、また、主塔(A形)の片側柱に12段のケーブルが定着された1面吊り形式としていることです。

 設計では、3次元の複雑な構造設計、耐風安定性の問題、主径間の張出し架設時の検討などを実施しています。主桁断面は、耐風安定性を考慮して、扁平な梯形箱桁(3室構造)で、床版は、主径間が鋼床版、側径間がRC床版となっています。

 主径間の張出し架設は、3次元の変位を管理しながらケーブルをサイクル架設する難度の高い架設工法です。また、ケーブルは、ストランド単位で架設する現場施工型ケーブルを用いています。

橋梁概要

路線名宇部湾岸道路
所在地山口県宇部市藤曲(ふじまがり)地内
橋長290m
構造形式3径間連続複合斜張橋
設計荷重B活荷重
支間長189.15m

所在地

泊野道路3号橋

 

 泊野道路3号橋は、本県中央部に位置する鹿児島空港(鹿児島県霧島市)と本県北西部の薩摩地方北部(鹿児島県出水市)を結ぶ地域高規格道路・北薩横断道路(延長約70km)の泊野IC(仮称)~きららIC(仮称)間に位置する橋梁です。

 本橋は橋長397mの鋼4径間連続非合成鈑桁橋とPC3径間連続ラーメン箱桁曲線橋の複合橋梁で、鋼橋部の最大支間長は40m(最大橋脚高:約25m)、PC橋部の最大支間長は102m(最大橋脚高:約50m)となっています。

 本橋の設計では、経済性・施工性・維持管理等を考慮し、道路計画縦断と現地盤との高低差が比較的低い部分と高い部分の2ブロックに分けて、それぞれの経済的な支間長の橋梁形式を組み合わせた複合の橋梁形式を採用しています。

橋梁概要

路線名国道504号
所在地鹿児島県薩摩郡さつま町泊野
橋長397.0m
構造形式鋼4径間連続非合成鈑桁橋+PC3径間連続ラーメン箱桁曲線橋
設計荷重B活荷重
支間長39.3m+2@40.25m+39.65m+66.0m+102.0m+66.0m

所在地

丸バエ川橋

 丸バエ川橋は、北九州市を起点とし、大分、宮崎、鹿児島各県を結び鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の門川IC日向~ICに位置する橋長251.7mの橋梁です。

 本橋梁は、上部工形式に門川ICランプを跨ぐA1~P1間を鋼2主鈑桁(支間長49m)、その他のP1~A2間の6径間をPRC2主版桁(標準支間長約33m)とした7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋を採用し、走行性や耐震性、維持管理性の向上を図っています。また、鋼桁部は、ランプ部を横過することから塗替えサイクルの延命化を図るため防食性の高いアルミニウム・マグネシウム合金プラズマ溶射工法を用いた金属溶射を採用しています。

 鋼とコンクリートの接合部は、中詰コンクリート後面支圧板方式のマルチセル構造であり、PRC桁は2主版桁から箱桁に断面変化を行い鋼桁と接合しています。

 添接部の金属溶射の施工においては、本施工前に継手性能確認試験、溶射困難箇所確認試験などを実施し、その結果を本施工に反映させています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地宮崎県臼杵群門川町
橋長251.7m
構造形式7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大49m

所在地

菱田川橋

 菱田川橋は、北九州市を起点とし、大分県、宮崎県を通り鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の曽於弥五郎IC~末吉財部IC間に位置する橋梁です。

 本橋は橋長688mのPC8径間連続ラーメン波形鋼板ウェブ箱桁橋であり、最大支間長は河川横過部であるP4橋脚~P5橋脚間の124m、桁高は3.7m~8.0mと変化する変断面構造となっています。

 架設は片持張出架設工法を採用していますが、波形鋼板ウェブに上フランジ及び下フランジを接合した構造とし、下床版の支保荷重を波形鋼板ウェブに受け持たせるようにして波形鋼板を架設材として利用するようにしたため、張出架設時の1ブロックの施工長さを大きくすることができ、それにより全体の施工ブロック数を20ブロック減らすことができました。その結果、張出架設用のPC鋼材等の数量も低減でき、コスト削減・工期短縮を実現しています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地鹿児島県曽於市大隅町
橋長688m
構造形式PC8径間連続ラーメン波形鋼板ウェブ箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大124m

所在地

泊野9号橋

 一般国道504号の「北薩横断道路」は、鹿児島空港と鹿児島県北薩地域を結ぶ延長約70kmの地域高規格道路で、その中で泊野道路は薩摩郡さつま町から出水市に至る約9kmの道路改築事業で、長大トンネルと11つの橋梁を整備しています。

 「北薩横断道路」は、九州縦貫自動車道や南九州西回り自動車道などと一体となった広域交通ネットワークにより、鹿児島空港へのアクセス向上や交通隘路区間の回避を目的とした事業です。

 泊野9号橋は、橋長299m、幅員9.5mの橋梁で平成21年度から着手し、平成26年度末に完成しました。また、泊野道路については、平成30年度の供用開始で、安全で円滑な交通の確保と地域の発展に大きな期待が寄せられています。

橋梁概要

路線名一般国道504号
所在地鹿児島県薩摩郡さつま町泊野
橋長299.0m
構造形式PC7径間連結コンボ桁橋
設計荷重B活荷重
支間長41.10m+5@41.7m+41.10m

所在地

片峰橋

 主要地方道野母崎宿線は、長崎半島の東側を通り、旧野母崎町から長崎市宿町を結ぶ、地域の生活、産業、観光を支えている延長約43kmの路線です。片峰橋は、その路線の中で長崎市飯香浦町に位置し、幅員が狭小で線形も悪く交通に支障をきたしていた区間において、円滑な交通の確保や交通安全の向上を目的とし整備を行った橋長180m、最大支間長43.6m、有効幅員9.0mの橋梁です。本橋は、沿岸部の谷部にある集落付近に架かる橋梁であるため、景観・維持管理・経済性等を考慮し、コスト縮減も図れるPC4径間連結ボステンT桁(少主桁)を採用。橋脚形式については、維持管理しやすい張出橋脚形式とし、柱形状は矩形断面を採用しています。また、高橋脚のため経済性、構造性に優れる中空断面を採用しコスト縮減を図っています。施工については、平成22年度に下部工に着手。平成24年度からは、上部工に着手し、平成25年度に完成しました。上部工は、架設桁架設工法により施工を行いました。

橋梁概要

路線名主要地方道野母崎宿線
所在地長崎県長崎市飯香浦町
橋長180.0m
構造形式PC4径間連結ポステンT桁(少主桁)橋
設計荷重B活荷重
支間長最大43.6m

所在地