南筑橋

 南筑橋は、一級河川矢部川に架橋された橋長248.0m、中央支間長110.0mの3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋です。一級河川矢部川は、国定天然記念物である「ゲンジボタル」の生息地であり、また江戸時代に治水対策の一環として植えられたといわれる楠木林は、全国でも珍しい密生繁茂林となっています。

 橋梁設計にあたり、これらの周辺環境、沿道の現況を鑑み、広い視野から橋梁景観や経済性に関する基本的な検討審議を行うため、「矢部川橋梁景観検討委員会」を設置し、シンボリックで景観に優れたエクストラドーズドPC橋に決定しています。

 エクストラドーズドPC橋は構造的に見て、一般桁橋と斜張橋の中間に位置し、従来主桁内部に配置されていたPC鋼材を、桁の外側へ大きく偏心して配置した橋梁です。一般桁橋に比べ桁高を低く抑えることができるため、桁自重の軽減を図ることができます。また、主塔高は斜張橋の半分程度にできるため、施工性にも優れています。

橋梁概要

路線名一般県道 唐尾広川線
所在地福岡県みやま市瀬高町小田~福岡県筑後市溝口
橋長248.0m
構造形式3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長69.0m+110.0m+69.0m

所在地

香椎高架橋

 一般国道3号博多バイパスは福岡市東部地域の交通混雑の解消及び生活道路の安全性向上、福岡空港や博多駅、博多港などの物流拠点へのアクセス時間の短縮を図り物流活動を支援することを目的としており、平成30年3月に全線供用した道路です。

 香椎高架橋は、香椎川、主要地方道福岡東環状線、JR香椎線を跨ぐ橋梁で、平成21年度から下部工に着手し、平成29年度に完成しています。

 近隣には国の重要文化財である仲哀天皇の神霊を祀っている香椎宮があり、本橋が跨ぐ福岡東環状線はその香椎宮の参道であるため、クス並木が続く緑豊かな地域となっています。そのため、『PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋』を採用し、桁高を低くして桁下の煩雑さをなくすことにより開放感が感じられるような構造としています。その他に高欄には擬宝珠(ぎぼし)の付いた朱色の鋳鉄製防護柵の採用や、下部工を柱勝(はしらかち)形状とすることで参道の鳥居のイメージ化を図ったりするなど地域の景観に配慮し施工を行っています。

橋梁概要

路線名国道3号(博多バイパス)
所在地福岡県福岡市東区香椎
橋長96.0m
構造形式PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋
設計荷重B活荷重
支間長36.75m

所在地

寿橋

 寿橋は、福岡県うきは市に位置し、筑後川の大石分水路に架かる主要地方道八女香春線の橋梁です。

 主要地方道八女香春線は、筑後地域の八女市を起点とし、うきは市と朝倉市を経て、筑豊地域の田川郡香春町を結ぶ重要な幹線道路となっています。

 なかでも寿橋は観光地である筑後川温泉の玄関口として、重要な役割を果たしていますが、旧橋は架設から約80年が経過し老朽化が進んでおり、また、幅員が狭く大型車の通行に支障を来していたため、架け替え整備を行い平成27年2月に新橋を供用しました。

 新橋は橋長131.0m、上部構造はPC4径間連続場所打ち中空床版橋、下部構造は逆T式橋台及び張出式橋脚となっています。

 通常時は、水が流れていない分水路であり、桁下の施工ヤードが確保できるため、上部工は固定支保工架設により施工を行いました。 

橋梁概要

路線名主要地方道八女香春線
所在地福岡県うきは市浮羽町古川
橋長131.0m
構造形式PC4径間連続場所打ち中空床版橋
設計荷重B活荷重
支間長33.0m

所在地

出逢橋

 出逢橋は、一般国道442号における八女市矢部村の日向神ダム湖畔を跨ぐ橋梁です。 

 一般国道442号は、大分県大分市を起点とし、福岡県大川市を終点とする延長185.3km の一般国道です。福岡県内においては、筑後地方を東西に結ぶ主要な幹線道路として、地域の産業・生活を支える重要な役割を担っています。

 本橋梁は、道路線形が屈曲し安全な通行に支障を来していた当該区間の線形改良を行い、安全・安心な生活の確保に寄与することを目的としています。

 構造は、支間長58.5mの単純トラス橋であり、ワーレントラス構造となっております。 

 使用鋼材については、裸仕様の耐候性鋼材とすることで維持管理コストの縮減を図っています。保護性錆の形成が進むにつれ落ちついた色味となり、景勝地である日向神峡においても、景観にとけ込んだものとなっています。 

橋梁概要

路線名一般国道 442 号
所在地福岡県八女市矢部村
橋長60.0m
構造形式単純トラス橋
設計荷重B活荷重
支間長58.5m

所在地

諏訪川橋

 諏訪川橋は、福岡県大牟田市を起点とし佐賀県鹿島市に至る約55kmの有明海沿岸道路の一部をなし、大牟田市内を流れる諏訪川を横過するニールセンローゼ橋(バスケットハンドル型)です。

 本橋梁は、終点側に位置する健昭橋(ニールセンローゼ橋、橋長201.0m)と共に地域のシンボル的な存在であり、平成23年6月に完成し翌年の平成24年1月に供用を開始(三池港IC~大牟田IC)しました。

 特徴としては、橋梁区間にR=2,000mの平面曲線が入っており、橋梁形式上の制約から道路幅員19.5mに対し補剛桁幅を29.0mと広くする必要があり、アーチ部材にバスケットハンドル式(頂部のアーチ部材間隔を狭めたもの)を採用することによりストラット重量を軽減しました。

架設は、ケーブルクレーンと斜吊りを併用したケーブルエレクション斜吊工法を採用しており、この橋梁形式では国内最大級の設備となりました。

橋梁概要

路線名有明海沿岸道路
所在地福岡県大牟田市西港町~岬町地内
橋長210.0m
構造形式鋼単純ニールセンローゼ橋(バスケットハンドル型)
設計荷重B活荷重
支間長207.7m

所在地