会長よりご挨拶

 令和2年6月に開催されました第11回総会において、永瀬会長の後を受け、新会長に就任いたしました。歴史と伝統ある九州橋梁・構造工学研究会(KABSE)の更なる飛躍へ向け、会長として粉骨砕身の覚悟でございます。会員をはじめ皆様の御支援・御協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 KABSEが設立された昭和58年に大学院を修了し、これまで一貫して地震工学に関わる研究並びに教育に従事してまいりました。KABSEとの関わりが始まったのが大学で職を得ることとなり九州に戻った平成6年です。すぐに運営委員会のメンバーに加えていただき、委員会活動等に参加したと記憶しております。その翌年の平成7年には忘れもしない兵庫県南部地震が発生しました。当時、まさか高速道路の高架橋が600m以上にわたり倒壊するとは思ってもおりませんでした。6400名を超える方々の尊い命が奪われてしまいました。KABSEでは発災直後に第五代会長を務められた太田俊昭先生を団長とする緊急調査団を立ち上げ現地調査に向かいました。調査団の一員として地震により大きな被害を受けた構造物の数々を目の当たりにし、唯々無力感に苛まれました。被災経験を今後に生かすためKABSEの中に特別研究分科会が組織され平成9年には最終報告を行っています。平成17年には福岡県西方沖地震が発生しました。マグニチュードは7.0でしたが、都市高速道路の高架橋や住宅が大きな被害を受けました。 この時は第十一代会長を務められた大塚久哲先生をはじめとするKABSE会員が土木学会に協力し、被害の調査・分析を行っています。それから11年後の平成28年には熊本地震が発生しました。地震規模を表すマグニチュードは兵庫県南部地震と同じ7.3、揺れの強さも同じ震度7でありました。 当時は熊本在住で前震、本震の強い揺れを熊本市内で体感いたしました。緊急輸送道路網で最も重要な高速道路も被災しましたが、阪神・淡路大震災の被災経験を踏まえ橋脚に対しては耐震補強が施されていたため倒壊を免れました。阪神高速道路が復旧までに約1年8か月を要したのに対して、九州自動車道は約2週間後に応急復旧、1年後には本復旧を果たしました。また、道路啓開により自衛隊をはじめとする救助の手が3日間で1700名を超える人々を倒壊した家屋から救出しています。

 熊本地震による被害は直接の死者50名、多くの家屋全半壊のほか、九州自動車道の通行止めや新幹線の運休をはじめ、阿蘇大橋の落橋、長陽大橋の破損、俵山トンネルと橋梁群の被災など交通インフラに大きな被害を与えました。 KABSEでは、速やかに理事会の下に2016年熊本地震対応特別委員会を設置して調査・研究活動を行うことを決定し、平成28年10月から令和元年9月まで3年間活動を行いました。その成果を取り纏めて最終報告会を令和元年12月に開催致しました。新型コロナの感染が拡大する前に報告会を開催できたのが何より幸いでした。

 私の専門分野に関してKABSEの歴史を振り返って見ましたが、被災経験を踏まえて着実に積み上げられたKABSEの研究成果は、現在の防災・減災対策の中で結実しているものと考えております。風水害、地盤災害、地震災害は各地で頻発しております。先進国の中で最も早く少子高齢化社会を迎える我が国おいて国土の強靭化は喫緊の課題のひとつと考えます。南海トラフの巨大地震もすぐそこに迫っております。今後のKABSEの活動は一定の制約を受けるコロナ禍での活動となりますが、事務局、運営委員会のメンバーをはじめとし、Web会議の開催等で速やかに対応していただいております。これから起こる様々な課題の解決に向けて、産学官の会員の皆様がKABSEの活動を通して益々活躍されますことを強く祈念いたします。

 

会長
九州大学 松田泰治
(R02~)

小史

昭和58年11月
九州橋梁・構造工学研究会設立
平成5年5月
第11回総会・10周年記念行事
平成10年4月
専任事務局開設
平成15年6月
第21回総会
平成15年11月
20周年記念行事
平成21年6月
一般社団法人 九州橋梁・構造工学研究会設立
平成25年11月
30周年記念行事

歴代会長

昭和58年度~昭和61年度 九州大学教授 小坪清真
昭和61年度~平成元年度 熊本大学教授 三池亮次
平成2年度~平成5年度 九州工業大学教授 渡辺 明
平成6年度~平成7年度 北九州職業能力開発短期大学校長 堤  一
平成8年度~平成9年度 九州大学教授 太田俊昭
平成10年度~平成11年度 九州大学教授 彦坂 熙
平成12年度~平成13年度 熊本大学教授 﨑元達郎
平成14年度~平成15年度 九州大学教授 松下博通
平成16年度~平成17年度 九州共立大学教授 烏野 清
平成18年度~平成19年度 九州工業大学教授 久保喜延
平成20年度~平成21年度(6月迄) 九州大学教授 大塚久哲

一般社団法人 九州橋梁・構造工学研究会設立後

平成21年度~平成22年度 九州大学教授 大塚久哲
平成23年度~平成24年度 熊本大学教授 大津政康
平成25年度~平成26年度 九州共立大学教授 牧角龍憲
平成27年度~平成29年度 九州大学教授 日野伸一
平成30年度~ 九州工業大学教授 永瀬英生

定款

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役員・顧問及び相談役名簿

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運営委員会規定

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運営委員会委員名簿

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