山移4号橋

 大分県では、北部九州の循環型高速道路ネットワークを形成し、生活、産業、観光面において活力のある中津日田地域の地域づくりを支援するため、重要港湾中津港から日田市に至る延長約50kmの区間を地域高規格道路「中津日田道路」として整備を進めています。この内、中津市耶馬溪町大字山移~大島の約5kmの区間を「耶馬溪道路」として平成20年度より事業着手し、令和2年度開通を目指しています。

 山移4号橋は、耶馬溪ダム上流部の河川や市道を横架する橋長L=176mのPC3径間連続ラーメン箱桁橋で、張出架設工法を採用しました。また、橋脚は基礎形式を深礎杭とし、急斜面部での掘削は竹割り土留め工法を採用しました。

 橋梁本体が完成した2019年5月には中津日田道路の早期開通を願う地域の方々と大分県との共催により、地上約30mの橋梁上のコンクリート面で中津市内の高校書道部による書道パフォーマンスを披露するイベントを行いました。中津日田道路のキャッチフレーズと、生徒達が考えた地域の将来に寄せる想いを音楽に合わせて力強く表現していただきました。

※写真提供:大分県

橋梁概要

路線名国道212号 耶馬溪道路(中津日田道路)
所在地中津市耶馬溪町大字山移
橋長176.0m
構造形式PC3径間連続ラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長42.05m+80.00m+52.05m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第11号発行時(平成31年3月)の情報です。

新蕨野橋

 県道栃野西大山線は日田市中津江村の主要地方道天瀬阿蘇線を起点とし、同市大山町の国道212号へ至る延長約4.8kmの幹線道路であり、地域住民の生活道路や木材等の運搬経路として地域を支える重要な路線です。また、主要観光地を結び九州横断自動車道日田ICに繋がる観光路線であると共に、大分県の地域防災計画において「緊急輸送道路」に指定されています。

 本路線のうち当該区間は、線形不良・幅員狭小に加え現道に所在するトンネルの建築限界が不足し、大型車等の通行に支障をきたしているため通行車両の安全確保と利便性向上を図ることを目的としたバイパス整備を推進しています。

 「新蕨野橋」は、経済性や施工性、景観性等を考慮した鋼単純上路トラス橋を選定し、ケーブルエレクション工法で架設を行いました。

 架設にあたっては、松原ダムのダム湖横断部に位置すると共に、現道の既設橋や新設トンネルの坑口に近接し施工ヤードが狭小のため仮設機材の配置に苦慮しました。また、施工ヤード出入口の見通しが悪いため、車両感知器を配置するなど安全に配慮し施工を行いました。

 引き続き他の橋梁やトンネル等の整備を促進し、バイパスを早期供用させることで緊急輸送道路としての機能性を向上させ、安心・安全な住民生活の確保を図ると共に産業や観光の振興、地域の活性化に大きく寄与するものと期待しています。

※写真提供:大分県

橋梁概要

路線名一般県道栃野西大山線
所在地大分県日田市中津江村栃野
橋長78.0m
構造形式鋼単純上路トラス橋
設計荷重B活荷重
支間長76.6m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第15号発行時(令和6年3月)の情報です。

宗麟大橋

 都市計画道路「庄の原佐野線」は東九州自動車道や都市内道路と一体的に機能し、地域間の連携と都市活動の活性化を目的とした大分市内の東西骨格軸となる幹線道路で、大分ICから都市計画道路下郡中判田線までの約6.0kmの区間が地域高規格道路「大分中央幹線道路」に指定されています。

 「宗麟大橋」を含む約1.2km区間は「元町・下郡工区」として平成20年度に事業着手し、平成30年1月に供用開始しました。なお、大分川河口部にかかる橋梁では約半世紀ぶりの新設となるため、開通イベントには約5,000名の県民の参加があり、交通渋滞の緩和や高速道路へのアクセス、さらには災害時の緊急輸送道路の役割に対する期待の高さを実感したところです。

 当橋梁の上部工は架設位置での河川断面の特性によって異なる架設方法を採用しており、高水敷部では「トラッククレーンベント工法」、低水路部ではベント設備が設置できないため桁の前部に手延機を継ぎ足し、順次後方ヤードで桁を組み立てながら送り出していく「手延式送出工法」の架設工法を採用しました。

 なお、この橋梁名「宗麟大橋」は、県民を対象に一般公募し、約1700件の応募の中から決定したものです。

橋梁概要

路線名都市計画道路 庄の原佐野線(主要地方道 大分臼杵線)
所在地大分県大分市大分
橋長349.9m
構造形式鋼6径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長57.25m+4@58.25m+57.25m

所在地