丸小野橋

 主要地方道諸塚高千穂線は諸塚村と高千穂町中心部を結ぶ県道で、日常の生活道路としての利用はもとより災害時の避難路や観光振興の役割を担う重要な道路です。しかしながら当路線の椎屋谷地区はカーブが多く道路幅員も狭いため、車同士のすれ違いにも支障をきたしていました。このため宮崎県では平成24年度から丸小野橋を含む延長約1.4kmの区間において道路改良事業を進めているところです。

 丸小野橋は、諸塚高千穂線において砂防河川を跨ぐ橋長47.0m、幅員8.5mの橋梁で、平成27年度から下部工に着手し平成30年4月に供用開始しました。

 今回の開通により安全で快適な道路環境が確保されるとともに、利便性の向上による地域の活性化が期待されます。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名主要地方道 諸塚高千穂線
所在地宮崎県高千穂町大字向山
橋長47.0m
構造形式PC2径間連続中空床版橋
設計荷重B活荷重
支間長22.9m+22.9m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第10号発行時(平成30年3月)の情報です。

本庄橋

 主要地方道高鍋高岡線は高鍋町を起点とし、西都市、国富町を経由して宮崎市高岡町に至る幹線道路であり、第1次緊急輸送道路に指定される重要路線であります。

 国富町を流れる一級河川本庄川を渡河する旧本庄橋は昭和33年の架橋(橋令62年)であり、主桁の鉄筋露出や桁端部などの劣化が著しく進行していることから架替えを行うこととしました。

 新橋は片持張出架設のPC箱桁であることや5基ある下部工全てにニューマチックケーソン基礎を採用するなど構造的にも難易度が高い工事でしたが、平成26年度から下部工に着手し令和2年9月に供用開始することができました。

 今回の架替えにより耐震化が図られたほか、通学路でもあることから2車線に両側歩道を確保した幅員14.5mとし、旧橋に比べ車道幅が約1.5m広くなったことにより大型車通行の際の安全性も大きく向上しました。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名主要地方道 高鍋高岡線
所在地宮崎県東諸県郡国富町大字本庄
橋長224.0m
構造形式PC4径間連続箱桁
設計荷重B活荷重
支間長55.0m+56.8m+56.2m+53.8m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第12号発行時(令和3年3月)の情報です。

岩下橋

 一般国道219号は熊本県熊本市を起点とし、熊本県人吉市、宮崎県西米良村、西都市を経由し宮崎市に至る約170kmの幹線道路であり、第1次緊急輸送道路にも指定され沿線市町村の産業経済活動を支える重要な路線となっております。

 岩下工区は、九州中央山地の急峻な山間を流れる二級河川一ツ瀬川沿いに位置することから線形が悪く幅員も狭い区間となっており、異常気象時には災害による交通途絶が発生する等していました。このため宮崎県では平成27年度から岩下橋を含む延長1.0kmのバイパス整備を進めているところです。

 岩下橋は平成29年度から下部工に着手し、令和2年6月に供用開始しました。本橋梁の架設箇所は狭隘な谷間で桁下空間が利用できなかったため、「ケーブルエレクション直吊り工法」を採用しました。しかし、橋台背面に現道が近接しており限られた狭いヤードに鉄塔及びそれを支えるグランドアンカーを設置しなければならず、さらに現道交通への影響を必要最小限に抑えなければならないという厳しい条件での施工となりましたが、請負業者の創意工夫を持って安全で効率的な架設を行うことができました。

 今回の開通により幅員狭小や線形不良、災害等の危険性を解消し、緊急輸送道路としての機能向上を図るとともに安全安心な交通の確保に大きく寄与するものと期待されます。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名一般国道219号
所在地宮崎県西都市大字中尾
橋長84.0m
構造形式鋼上路式単純トラス橋
設計荷重B活荷重
支間長82.3m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。

川水流橋

 主要地方道北方北郷線は、延岡市北方町を起点とし美郷町北郷に至る幹線道路であり、第1次緊急輸送道路に指定される重要路線であります。

 宮崎県、大分県、熊本県を流れる一級河川五ヶ瀬川を渡河する旧川水流橋は昭和42年の架橋であり、主桁や桁端部などの劣化が著しく進行していることから架替えを行うこととしました。

 川水流橋は令和元年度から下部工に着手し、令和4年12月に供用開始しました。本橋梁の下部工6基の内2基はニューマチックケーソン基礎ですが、当初想定してない中硬岩が一部に出現し発破掘削が必要となるなど難易度の高い工事でした。

 今回の架替えにより耐震化が図られたほか、通学路でもあることから2車線に歩道を確保した幅員9.0mとし、旧橋(以下写真)幅員4.5mに比べ車同士のすれ違いが可能となるなど、緊急輸送道路としての機能向上および安全安心な交通の確保に大きく寄与するものと期待されます。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名主要地方道北方北郷線
所在地宮崎県延岡市北方町大字卯
橋長273.4m
構造形式鋼5径間連続非合成箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長60.6m+60.0m+54.5m+51.2m+45.0m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第14号発行時(令和5年3月)の情報です。

天岩戸橋側道橋

 下野鹿狩戸(しものかがりど)線は高千穂町大字下野から同町大字岩戸に至る一般県道であり、その沿線にある天岩戸神社の周辺では地元住民を主体とした「まちづくり」活動が活発に行われています。

 天岩戸橋は歩道が無いため観光客等の歩行者と通行車両の距離が近く、歩行者の安全確保が課題となっていたことから側道橋を整備することとなりました。

 本橋は地元のまちづくり等に取り組む関係者で構成された「まちづくり協議会」においてワークショップを行い、住民の意見を反映したデザインを採用しました。

 主桁は逆台形断面とすることで、一般的な張出し床版を有する長方形断面に比べて点検や維持管理を容易にするとともに、鋼材重量の低減を図り経済的な設計としました。

 上部工の架設方法は架橋位置が深い谷地形となることから手延式送出し工法を採用しましたが、支間長に対して施工ヤードが狭く地組できる桁の長さが制約されることから送出し作業の安全性の向上を図る必要があり、送出しジャッキと仮受けジャッキに送出し量や重量を測定する機器を取付け、重量が設計値内に収まっているか常時管理しました。また、降下設備の高さが5.0m以上となることから降下作業についても安全性の向上を図る必要があり、無線式傾斜管理システムを用いて常時降下設備の傾斜を管理しました。

 本橋の整備が、天岩戸神社を訪れる観光客等の安全な通行に寄与するものと期待しています。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名一般県道下野鹿狩戸線
所在地宮崎県西臼杵郡高千穂町大字岩戸
橋長84.0m
構造形式単純鋼床版箱桁
設計荷重群集荷重
支間長82.2m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第15号発行時(令和6年3月)の情報です。

佐渡の谷大橋

 一般国道327号は宮崎県日向市を起点とし、東臼杵郡美郷町・諸塚村・椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路で、第1次緊急輸送道路にも位置づけられ、中山間地域と地方都市圏を結ぶライフラインとして非常に重要な役割を担う路線です。

 現在整備を進めている諸塚村と椎葉村の村界付近の区間においては、九州電力が耳川(二級河川)に設置した塚原ダムの貯水池に面していることもあり、線形が悪く幅員も狭いため、普通車同士のすれ違いが困難な状況であることから、バイパス整備により安全かつ円滑な通行の確保を図っているところです。

 佐渡の谷大橋は橋長124.0mのPCTラーメン箱桁橋で、張出し架設工法により施工し、橋脚の基礎には大口径深礎杭(φ8000)を採用しています。施工時には大量の湧水が発生し、掘削が困難となる事態に見舞われました。このため、湧水対策として薬液注入による地盤改良と合わせ、矢板締切による薬液流出防止対策を実施したことにより無事に工事を終え、令和5年12月に供用を開始しました。

 今後は整備区間内に計画している他の橋梁等の事業を進めることとしており緊急輸送道路としての機能確保に加え、地域間交流による沿線町村の活性化に寄与できるよう、引き続き早期の効果発現に取り組んでまいります。 

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名国道327号
所在地宮崎県東臼杵郡椎葉村大字松尾
橋長124.0m
構造形式PCTラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大60.9m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第16号発行時(令和7年3月)の情報です。

丸バエ川橋

 丸バエ川橋は北九州市を起点とし、大分、宮崎、鹿児島各県を結び鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の門川IC~日向ICに位置する橋長251.7mの橋梁です。

 本橋梁は、上部工形式に門川ICランプを跨ぐA1~P1間を鋼2主鈑桁(支間長49m)、その他のP1~A2間の6径間をPRC2主版桁(標準支間長約33m)とした7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋を採用し、走行性や耐震性、維持管理性の向上を図っています。また、鋼桁部はランプ部を横過することから塗替えサイクルの延命化を図るため、防食性の高いアルミニウム・マグネシウム合金プラズマ溶射工法を用いた金属溶射を採用しています。

 鋼とコンクリートの接合部は中詰コンクリート後面支圧板方式のマルチセル構造であり、PRC桁は2主版桁から箱桁に断面変化を行い鋼桁と接合しています。

 添接部の金属溶射の施工においては、本施工前に継手性能確認試験、溶射困難箇所確認試験などを実施し、その結果を本施工に反映させています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地宮崎県臼杵群門川町
橋長251.7m
構造形式7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大49m

所在地

五ヶ瀬大橋

 当路線は、宮崎県延岡市別府町を起点とし延岡市古川町に至る延長約4.7kmの都市計画道路であり、延岡市西環状線の一部区間を構成している重要な路線です。

 五ヶ瀬大橋は延岡西環状線の内、一般国道218号と地域高規格道路延岡インター線を結ぶ五ヶ瀬川に架かる橋梁として整備され、橋長190.2m、最大支間長46.35m、有効幅員23.0mの4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)となっています。

 架設工法は、架設桁架設工法により施工しています。


橋梁概要

路線名主要地方道 稲葉崎平原線
所在地宮崎県延岡市古川町
橋長190.2m
構造形式4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)
設計荷重B活荷重
支間長46.35m

所在地

鹿遊大橋

 主要地方道東郷西都線は宮崎県の日向市東郷町を起点とし、木城町を経由して西都市に至る県道で、第一次緊急輸送道路にも指定されています。また、沿線には県内有数の観光地である「西都原古墳群」をはじめ、「日向新しき村」「木城えほんの郷」等があります。 

  鹿遊大橋は東郷西都線戸崎バイパスの一部として整備された橋梁で、1級河川小丸川を渡河し有効幅員7.5mの鋼単純非合成箱桁橋と鋼単純上路式トラス橋、及び起点取付部に鋼製片桟橋の3つの構造で構成された橋長178.5mの橋梁となっています。

 架設は、鋼単純非合成箱桁橋についてはベント併用クローラクレーン架設工法で、鋼単純上路式トラス橋についてはケーブルエレクション直吊り工法により施工しています。

橋梁概要

路線名主要地方道 東郷西都線
所在地宮崎県木城町石河内
橋長41.0m(鋼製片桟道橋)
49.5m(鋼単純非合成箱桁橋)
88.0m(鋼単純上路式トラス橋)
構造形式鋼製片桟道橋 + 鋼単純非合成箱桁橋+
鋼単純上路式トラス橋
設計荷重B活荷重
支間長86.7m

所在地

岩尾大橋

 一般国道327号は、宮崎県日向市から美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る地域の産業・経済を支えるほか、緊急輸送道路としても重要な道路です。当路線は、椎葉村などの中山間地域と日向入郷圏域の地方拠点都市である日向市を結ぶ唯一の幹線道路でありますが、連続雨量200mmの事前通行規制区間で線形が悪く幅員も狭小であることから、大型車のすれ違いはもとより、一般車両の通行にも支障をきたしているため、安全で円滑な通行の確保を図ることを目的とされ、整備されました。

岩尾大橋は、トラッククレーンベント工法により架設を行いました。

橋梁概要

路線名一般国道327号
所在地宮崎県東臼杵郡椎葉村大字松尾
橋長115.0m
構造形式鋼2径間連続鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長56.6m

所在地