御庄川橋

 主要県道岩国大竹線は、岩国市を起点として広島県大竹市に至る幹線道路であり、岩国市街地の外郭を形成する環状道路として重要な路線です。

 しかしながら、当該路線では交通量が多いにもかかわらず現道の幅員が狭い箇所やJR岩徳線との交差により高さが制限された箇所があり、安全で円滑な交通に支障をきたしています。これらの課題を解消し安全で円滑な交通や環状道路としての機能を確保するため、平成24年度からトンネル2本と橋梁2本からなる約1.68kmのバイパスとして整備を進めており、令和2年3月に開通したところです。

 このうち、「御庄川橋」は鋼2径間連続非合成鈑桁橋+鋼2径間連続非合成箱桁橋からなる橋長220mの橋梁で、上部工の架設にはトラッククレーンベント工法を採用しました。

 また、山口県においてはコンクリート構造物の品質確保のためひび割れを抑制する取組みを行っており、当橋梁の下部工の施工においても施工状況把握チェックシートを活用し、コンクリート打設を行いました。完成後は目視評価を実施し、高品質なコンクリート構造物が構築されていることを確認しました。

 当該バイパスの供用により、山陽自動車岩国ICや山陽新幹線新岩国駅、岩国錦帯橋空港へのアクセス性の向上や市街地の渋滞緩和が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与することを期待しています。

※写真提供:山口県

橋梁概要

路線名主要県道岩国大竹線
所在地山口県岩国市御庄字下向原~字西氏
橋長220.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋+鋼2径間連続非合成箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大67.9m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第11号発行時(平成31年3月)の情報です。

第一横瀬橋

 小郡萩道路は、県央の交通拠点である山口市小郡、県の主要観光地である秋吉台、山陰の中心都市である萩市を結び、中国縦貫自動車道等を連結することにより高規格道路ネットワークを形成する、延長約30kmの地域高規格道路です。

 平成23年に暫定2車線にて中国縦貫自動車道美祢東JCT~絵堂IC間の約13kmを供用開始したところであり、引き続き絵堂IC~山陰道萩IC間の約15kmについて、一般国道490号絵堂萩道路として平成26年度から事業を推進しています。このうち約9kmについては別線バイパスの自動車専用道路として、約6kmについては現道を活用することとして整備をしています。

 当該道路には14橋の橋梁を計画しており、この「第一横瀬橋」は急峻な山地の沢部を跨ぐ延長84mの鋼2径間連続非合成鈑桁橋で、上部工はトラッククレーンベント工法により架設を行いました。

 当該橋梁は縦断勾配4%の長い上り勾配の区間に位置していることから、車線構成としては片側1車線の車道に加え上り車線には付加追越車線を有しています。

 引き続き他の橋梁やトンネルの整備を推進し、当該道路を供用させることで県央部と山陰地域の交流促進、空港や新幹線駅などの広域交通拠点との連携強化、観光ネットワークの形成が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与すること期待しています。

※写真提供:山口県

橋梁概要

路線名一般国道490号絵堂萩道路
所在地山口県萩市大字明木
橋長84.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大41.0m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。

第六横瀬橋

 小郡萩道路は、県央の交通拠点である山口市小郡、県の主要観光地である秋吉台、山陰の中心都市である萩市を結び、中国縦貫自動車道と山陰道を連結することにより高規格道路ネットワークを形成する延長約30kmの高規格道路です。

 中国縦貫自動車道美祢東JCT~絵堂IC間の約13kmについては平成23年に暫定2車線にて供用開始したところです。また、平成26年度から絵堂IC~山陰道萩IC間の約15kmについて、一般国道490号絵堂萩道路として事業を推進しています。

 このうち、約9kmについては別線バイパスの自動車専用道路として約6kmについては現道を活用することとして整備を進めています。

 当該道路には17橋の橋梁を計画しており、この「第六横瀬橋」は急峻な山地の沢部を跨ぐ橋長72mの鋼2径間連続非合成鈑桁橋で、上部工はトラッククレーンベント工法により架設を行いました。当該橋梁の上空には高圧線(6.6万V)が架線されていることから、桁架設などのクレーン作業については電力会社と事前調整を行い、施工時は立会いを行う等、安全に配慮し施工を行いました。

 引き続き他の橋梁やトンネル等の整備を推進し、当該道路を供用させることで県央部と山陰地域の交流促進、空港や新幹線駅などの広域交通拠点との連携強化、観光ネットワークの形成が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与するものと期待しています。

※写真提供:山口県

橋梁概要

路線名一般国道490号絵堂萩道路
所在地山口県萩市大字明木
橋長72.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大35.0m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第14号発行時(令和5年3月)の情報です。

栗野橋

 一般国道191号は、山口県日本海側の下関市、長門市、萩市、阿武町の各都市を経由しながら島根県まで続き、山口県地域防災計画に位置付けられた第1次緊急輸送道路です。また、下関市北部における生活道路であるとともに、山陰道から県内有数の観光スポットである角島大橋等の各拠点へのアクセス道路として物流及び観光を支える重要な道路です。

 本路線の北西部、山口県下関市豊北町に位置し、二級河川粟野川を渡河する「粟野橋」は、1957年(昭和32年)の架橋から60年以上が経過した橋梁です。塩害等の影響から支承部において著しい損傷が確認されるなど、定期点検において健全性区分Ⅲ(早期措置段階)と診断されたため、「補修・補強を行い継続利用する案」と「橋梁を架け替える案」について、LCC(ライフサイクルコスト)比較を行った結果、架け替えを実施することとしました。

 今回の架け替えにより、耐震化が図られ、第1次緊急輸送道路としての信頼性も確保されますので、一日も早い完成に向け、施工を進めています。

 山口県ではこれからも、「日本一の安心インフラやまぐちの実現」に向け、取組みを進めてまいります。

※写真提供:山口県

橋梁概要

路線名一般国道191号
所在地山口県下関市豊北町大字粟野
橋長111.0m
構造形式鋼2径間連続非合成箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大65.2m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第15号発行時(令和6年3月)の情報です。

栄川運河橋

 

 栄川運河橋は、地域高規格道路山口宇部小野田連絡道路の主要区間である宇部湾岸道路(延長6.0km)の栄川運河を横断する橋梁であり、湾岸エリアのランドマークとなっています。

 本橋の特徴は橋梁形式が3径間連続複合斜張橋(主径間:鋼桁、側径間:PC桁)で、主径間(鋼桁部)の平面線形がS字型であり、また、主塔(A形)の片側柱に12段のケーブルが定着された1面吊り形式としていることです。

 設計では3次元の複雑な構造設計、耐風安定性の問題、主径間の張出し架設時の検討などを実施しています。主桁断面は、耐風安定性を考慮して扁平な梯形箱桁(3室構造)で、床版は主径間が鋼床版、側径間がRC床版となっています。

 主径間の張出し架設は、3次元の変位を管理しながらケーブルをサイクル架設する難度の高い架設工法です。また、ケーブルはストランド単位で架設する現場施工型ケーブルを用いています。

橋梁概要

路線名宇部湾岸道路
所在地山口県宇部市藤曲(ふじまがり)地内
橋長290m
構造形式3径間連続複合斜張橋
設計荷重B活荷重
支間長189.15m

所在地

四十八瀨川橋

 四十八瀬川橋は山口県山口市小郡上郷宇福田村~字一ノ井手上小村を結ぶ橋長125.6mの上路式RC固定アーチ橋であり、山口県の管理道路としては初となる形式です。

 本橋梁は、山口県で事業を進めている地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」を構成する延長約14kmの主要地方道山口宇部線の一部として建設されたものです。山口宇部小野田連絡道路は、県央部の「山口」と交通の要衝「小郡」と県内産業の集積地「宇部・山陽小野田」を結ぶ自動車専用道路として整備するもので、地域の産業・経済・生活の基盤となる重要な役割を担うものです。

 アーチ部の施工は、架橋地点の谷が比較的浅く橋下からの施工が可能であったことから、ベント併用の合成アーチ巻立工法を採用しました。谷の両側から施工する大規模な工法と比べて小規模の架設設備で済んだことにより、経済的な工法となりました。

橋梁概要

路線名主要地方道 山口宇部線
所在地山口県山口市小郡上郷字福田村~字一ノ井手上小村
橋長125.6m
構造形式上路式RC固定アーチ橋
設計荷重B活荷重
支間長84.0m

所在地

有帆川大橋

 有帆川大橋は、地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」延長約40kmの一部を構成する小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)のうち有帆川を渡る橋長478mの橋梁です。

 小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)は、重要港湾小野田港、山陽自動車道小野田インターチェンジ等の広域交通拠点へのアクセス性向上や宇部・山陽小野田地域の連携強化、旧小野田市街地内の慢性的な交通渋滞の緩和等を目的に整備を進めてきたものです。

 有帆川大橋の上部工はPC5径間連続箱桁橋、下部工は鋼管矢板基礎張出式橋脚となっています。各橋脚に至る仮桟橋を設置したうえで、下部工を施工し、上部工は、橋脚頭部より移動作業車を用いた場所打ち張り出し架設工法で施工を行いました。

橋梁概要

路線名小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)
所在地山口県山陽小野田市大字小野田~大字東高泊
橋長478m
構造形式PC5径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長68.65m+3@113m+68.65m

所在地

小郡JCTLランプ二号線

 小郡JCTは、地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」の一部を構成する山口宇部道路の流通センターIC~長谷IC間に位置し、山口宇部道路と中国縦貫自動車道(以下、「中国道」という)を8つのランプで連結するものです。6つの橋梁により中国道や市道と立体交差する構造となっており、平成24年度から工事に着手し平成28年3月27日に供用開始を行いました。

このうち、「小郡JCTLランプ二号橋」は中国道や市道等を跨ぐ橋長83.0mの橋梁であり、上部工については山口県が桁の製作を行い、山口県と委託契約を締結した西日本高速道路(株)が中国道の山口JCT~美祢東JCT間を夜間通行止めし550tクレーンにより架設を行いました。架設時は通行止めした中国道本線上で見学会が開催され、地元住民や学生等約160人の参加がありました。

橋梁概要

路線名山口宇部道路小郡JCT(主要地方道山口宇部線)
所在地山口県山口市小郡上郷
橋長83.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.3m+36.3m

所在地

赤滝大橋

 国道491号は下関市から長門市へ至る国道で、山口県を南北に結ぶ幹線道路です。

 赤滝大橋は国道491号の豊田油谷バイパスの一部であり、大坊ダムのダム湖を渡河する橋長120m、有効幅員10.75mの鋼下路式トラスドランガー桁橋です。

 総鋼重は638tで、耐候性鋼材を使用することにより塗装にかかるライフサイクルコストを抑えています。

 架設工法は両端に設置した鉄塔間にケーブルを渡し、部材を吊り上げて本体組み立てを行うケーブルエレクション(直吊り)工法を採用しています。

橋梁概要

路線名一般国道491号
所在地山口県長門市油谷河原
橋長120m
構造形式鋼下路式トラスドランガー桁橋
設計荷重B活荷重
支間長118m

所在地

豊田ほたる大橋・豊田ほたる橋

 一般国道435号は、山口市を起点として下関市豊北町に至る重要な幹線道路です。

 しかしながら、山口県美祢市から下関市豊田町の区間は現道の幅員が狭く、線形も悪いことなどからこれらの課題を解消し、地域住民の安心・安全の確保を図るためトンネル1本と橋梁7本からなる約5.4kmバイパスとして整備を進め、平成29年12月に供用しました。

 このうち「豊田ほたる大橋・豊田ほたる橋」は、PC2径間連続ラーメン箱桁橋+PC単純コンポ桁橋からなる橋長155mの橋梁で、上部工は張出架設工法及び架設桁架設工法を採用しました。

 また、橋脚の施工では斜面の掘削範囲の抑制、工事費の低減等を図るため、竹割り土留め工法を山口県工事として初めて採用しました。

 当該バイパスの供用により下関市北部の水産拠点である特牛(こっとい)港や、山口県有数の観光スポットである角島・角島大橋へのアクセス性の向上が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与しています。

橋梁概要

路線名国道435号
所在地山口県下関市豊田町大字矢田
橋長155m(110m+45m)
構造形式PC2径間連続ラーメン箱桁橋+PC単純コンポ桁橋
設計荷重B活荷重
支間長54.05m+54.25m+43.6m

所在地