福地川橋(上り線)

 現在、NEXCO西日本では高速道路リニューアルプロジェクトと称して、劣化した橋梁の鉄筋コンクリート床版をプレキャストPC床版へ取り替える大規模更新事業等を実施しております。

 福地川橋(上り線)は、沖縄自動車道 金武IC~宜野座ICに位置する橋長228.7mの鋼3径間連続トラス橋です。当該橋梁の鉄筋コンクリート床版は、内在塩分や飛来塩分の影響を受けて著しい変状が発生していたため、平成30年1月~3月に昼夜連続対面通行規制を実施して床版の取替えを行いました。

 鋼トラス橋の床版取替えはこれまでに極めて事例が少ないものであり、鋼トラス部材の先行補修や床版撤去・架設時の施工ステップ毎の鋼部材の応力照査などを実施し、工事施工中の安全性に配慮しました。

 また、床版取替え工事では高炉スラグ微粉末コンクリートの採用、エポキシ樹脂鉄筋の採用、高性能床版防水の採用、およびFRP検査路の採用等により、橋梁の高耐久化を図りました。

※写真提供:川田建設(株)

橋梁概要

路線名沖縄自動車道
所在地沖縄県国頭郡宜野座村
橋長228.7m
構造形式鋼3径間連続トラス桁
設計荷重B活荷重
支間長最大97.2m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第10号発行時(平成30年3月)の情報です。

億首川橋

 NEXCO西日本が管理する高速道路橋のうち約4割が供用から30年を超えており、老朽化に伴う変状が顕著になっています。そうした中で高速道路橋の健全性を永続的に確保し、高速道路のネットワークの機能を将来にわたり維持していくには抜本的な対策が必要となっています。

 その抜本的な対策の大きな柱として、『高速道路リニューアルプロジェクト』を実施しています。高速道路リニューアルプロジェクトとは、これまでの補修方法では十分に高速道路の機能を回復できない変状に対して大規模な更新工事等を行うものです。

 億首川橋においては、高速道路リニューアルプロジェクトの一環として2007年から床版取替(SCBR工法によるRC中空床版のPC桁への取替含む)を実施しており、2021年4月に橋梁全体(RC中空床版橋、鋼非合成鈑桁橋、鋼トラス橋)の床版取替が完了しました。

 床版取替工事中は上り線(下り線)の2車線を1車線に縮小し、下り線側(上り線側)にシフトさせた昼夜連続対面通行規制を行うことから規制区間における安全対策を強化し、お客様への安全・安心な走行確保に尽力しました。

※写真提供:西日本高速道路(株)

橋梁概要

路線名E58 沖縄自動車道
所在地沖縄県国頭郡金武町
橋長533.3m
構造形式PC(3+6)径間連結中空床版+鋼2径間連続非合成桁+鋼3径間連続トラス桁
設計荷重B活荷重
支間長最大120.4m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。

許田高架橋(上り線)

 NEXCO西日本が管理する許田高架橋(上り線)は沖縄自動車道の北端に位置し、国道58号から許田ICに接続する橋梁であり、沖縄北部地域と南部地域を繋ぐ重要な役割を担っています。
 
 本橋は昭和50年に供用開始し、RC床版において劣化が進行したため、令和4年1月~4月により耐久性の高いプレキャストPC床版に取替えを行いました。

 本現場では、プレキャストPC床版の架設にあたり国道58号が並走しており、新設床版をクレーンにて旋回させ架設することが不可能だったため、全断面床版架設機を用いて施工を行いました。

 また、工事期間中上り線の通行を確保するため下り線の2車線を活用し、昼夜連続対面通行規制を行い両方向の通行を確保したのち施工を行いました。
 
 NEXCO西日本では、本橋を含む高速道路リニューアルプロジェクトを実施しております。交通規制に伴う社会的な影響をできる限り軽減するための工夫を継続的に行い、お客様への安全・安心な走行確保に尽力します。

※写真提供:西日本高速道路(株) 九州支社

橋梁概要

路線名E58 沖縄自動車道
所在地沖縄県名護市許田手水原
橋長449.5m
構造形式鋼(3+3+3+4径間)連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大42.04m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第15号発行時(令和6年3月)の情報です。

つむぎ橋 てぃーだ橋

つむぎ橋

てぃーだ橋

 久米島は沖縄本島那覇市の西方約100kmの東シナ海に位置し、島の南東海岸部には美しい海浜が広がる県内有数の観光地です。

 一般県道久米島一周線は、久米島空港を起終点とし、久米島外周の集落を経由しながら観光地を連絡する重要な道路です。

 そのうち、久米島町真謝から同町下阿嘉までの区間は、幅員狭小で線形も悪いことから、道路交通の安全性向上、観光振興及び地域活性化を図るため、拡幅及び線形改良を実施してきました。

 つむぎ橋、てぃーだ橋は、久米島の雄大な海をバックに眺望の開けた位置に建設され、美しい風景に調和する構造美が新たな観光資源となることが期待されています。

 橋梁名は、地元の小中学生を対象とした公募の中から、島の名産品である久米島紬や太陽を意味する方言「てぃーだ」にちなんだ案「つむぎ橋」及び「てぃーだ橋」が採用され、平成25年11月に開通しました。

橋梁概要

路線名一般県道久米島一周線
所在地沖縄県久米島町真謝~下阿嘉
橋長つむぎ橋  160m
てぃーだ橋 457m
構造形式つむぎ橋  7径間連続PC中空床版
てぃーだ橋 8径間連続PC箱桁+5径間連続RCアーチ
設計荷重つむぎ橋   B活荷重
てぃーだ橋  B活荷重
支間長つむぎ橋   21.65m+5@23.00m
てぃーだ橋  33.50m+6@34.00m+33.50m+30.00m+28.50m+3@43.00m+25.50m

所在地

伊良部大橋取付橋梁

 本橋梁は、伊良部大橋の取付橋梁として整備されました。伊良部大橋は延長4,310m(本橋部3,540m、海中道路部600m、中間部橋梁70m、取付橋梁100m)の離島架橋です。

 伊良部大橋の建設は、現在の不安定な海上交通から安定性・随意性が確保された陸上交通に変わることにより、伊良部島の医療・教育環境の改善、生活環境や福祉の向上及び地域の活性化が図れます。

 なお、伊良部大橋においては全線供用開始を平成27年1月31日に予定しております。

橋梁概要

路線名一般県道平良下地島空港線
所在地沖縄県宮古島市平良~伊良部
橋長99.9m
構造形式ポストテンション方式PC3径間連続中空床版橋
設計荷重A活荷重
支間長32.85+33+32.85m

所在地