内藤橋

 本路線は、福岡県大牟田市を起点とし、熊本市北区植木町の国道3号に至る重要な幹線道路で、本路線にある内藤橋は菊池川を渡河する玉名郡和水町に位置しています。近隣には、九州縦貫自動車道の菊水インターがあり、玉名市及び荒尾市方面からのインターへのアクセス道路としても重要な路線です。昭和初期に完成した旧橋は、幅員が6m程度と狭く大型車の離合が困難であり、自転車・歩行者の安全な通行にも支障をきたしていました。また、完成後50年以上が経過し、老朽化が著しく、地元からも早急な架け替えが望まれていました。

 架け替えにより、安全で円滑な交通が確保され、和水町及び玉名地域の産業経済、観光産業の活性化に寄与しています。

橋梁概要

路線名主要地方道大牟田植木線
所在地熊本県玉名郡和水町
橋長225m
構造形式PC4径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大61m

所在地

南筑橋

 南筑橋は、一級河川矢部川に架橋された橋長248.0m、中央支間長110.0mの3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋です。一級河川矢部川は、国定天然記念物である「ゲンジボタル」の生息地であり、また江戸時代に治水対策の一環として植えられたといわれる楠木林は、全国でも珍しい密生繁茂林となっています。

 橋梁設計にあたり、これらの周辺環境、沿道の現況を鑑み、広い視野から橋梁景観や経済性に関する基本的な検討審議を行うため、「矢部川橋梁景観検討委員会」を設置し、シンボリックで景観に優れたエクストラドーズドPC橋に決定しています。

 エクストラドーズドPC橋は構造的に見て、一般桁橋と斜張橋の中間に位置し、従来主桁内部に配置されていたPC鋼材を、桁の外側へ大きく偏心して配置した橋梁です。一般桁橋に比べ桁高を低く抑えることができるため、桁自重の軽減を図ることができます。また、主塔高は斜張橋の半分程度にできるため、施工性にも優れています。

橋梁概要

路線名一般県道 唐尾広川線
所在地福岡県みやま市瀬高町小田~福岡県筑後市溝口
橋長248.0m
構造形式3径間連続エクストラドーズドPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長69.0m+110.0m+69.0m

所在地

日見夢大橋

 日見夢大橋は、平成16年3月27日に開通した長崎自動車道長崎IC~長崎多良見IC間の長崎市芒塚町に位置し、一般国道34号、同日見バイパスを横過して長崎芒塚ICに接続しています。周辺の地形は、東に橘湾を望むなだらかな丘陵地が続き、他の三方は急峻な山地に囲まれた眺望景観の美しい場所で、歴史国道に認定された長崎街道に近接しており、その一方で、昭和57年の長崎大水害において、大規模な土砂災害による甚大な被害が発生した場所でもあります。

 このような場所に位置する本橋は、当時の水害における土石流流下範囲外でかつ国道を外した箇所に橋脚を必要とした結果、全長365m、最大支間長180mの3径間のPCエクストラドーズド橋が選定されました。更に、品質管理や維持管理を考慮した全外ケーブル構造への見直しを行ったところ、PCケーブル定着体及び偏向部の追加により上部工重量が増加したことから、従来のコンクリートウェブに替わり軽量化が図れる波形鋼板ウェブを採用しました。この結果、世界で初めてPCエクストラドーズド橋に波形鋼板ウェブを採用した橋梁となりました。

 この新しい橋梁形式の採用にあたり、斜材定着部の鋼製ダイヤフラムや波形鋼板ウェブの安全性について、実橋1/2モデル実験や風洞実験により確認・検証を行うとともに、施工においても、超大型特殊ワーゲンによるブロック数の長大化・低減化や主塔定着部の鋼殻構造による施工省力化により、国道上空での作業時間の短縮が図られ、ワーゲン設置から床版閉合まで約12ヶ月(コンクリートウェブの約3分の2)という短期間で無事完了することが出来ました。

 日見夢大橋は、エクストラドーズド橋の独特の外観及び波形鋼板ウェブによる低い桁高、曲線を多用した橋脚など、周辺の景観や歴史、自然との調和を図りつつ、また、長崎の玄関口としてのランドマークとして、地域に末永く親しまれることを希望しています。

橋梁概要

路線名長崎自動車道
所在地長崎県長崎市芒塚町
橋長365m
構造形式3径間連続波形鋼板エクストラドーズドPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大180.0m

所在地

栄川運河橋

 

 栄川運河橋は、地域高規格道路山口宇部小野田連絡道路の主要区間である宇部湾岸道路(延長6.0km)の栄川運河を横断する橋梁であり、湾岸エリアのランドマークとなっています。

 本橋の特徴は、橋梁形式が3径間連続複合斜張橋(主径間:鋼桁、側径間:PC桁)で、主径間(鋼桁部)の平面線形がS字型であり、また、主塔(A形)の片側柱に12段のケーブルが定着された1面吊り形式としていることです。

 設計では、3次元の複雑な構造設計、耐風安定性の問題、主径間の張出し架設時の検討などを実施しています。主桁断面は、耐風安定性を考慮して、扁平な梯形箱桁(3室構造)で、床版は、主径間が鋼床版、側径間がRC床版となっています。

 主径間の張出し架設は、3次元の変位を管理しながらケーブルをサイクル架設する難度の高い架設工法です。また、ケーブルは、ストランド単位で架設する現場施工型ケーブルを用いています。

橋梁概要

路線名宇部湾岸道路
所在地山口県宇部市藤曲(ふじまがり)地内
橋長290m
構造形式3径間連続複合斜張橋
設計荷重B活荷重
支間長189.15m

所在地

泊野道路3号橋

 

 泊野道路3号橋は、本県中央部に位置する鹿児島空港(鹿児島県霧島市)と本県北西部の薩摩地方北部(鹿児島県出水市)を結ぶ地域高規格道路・北薩横断道路(延長約70km)の泊野IC(仮称)~きららIC(仮称)間に位置する橋梁です。

 本橋は橋長397mの鋼4径間連続非合成鈑桁橋とPC3径間連続ラーメン箱桁曲線橋の複合橋梁で、鋼橋部の最大支間長は40m(最大橋脚高:約25m)、PC橋部の最大支間長は102m(最大橋脚高:約50m)となっています。

 本橋の設計では、経済性・施工性・維持管理等を考慮し、道路計画縦断と現地盤との高低差が比較的低い部分と高い部分の2ブロックに分けて、それぞれの経済的な支間長の橋梁形式を組み合わせた複合の橋梁形式を採用しています。

橋梁概要

路線名国道504号
所在地鹿児島県薩摩郡さつま町泊野
橋長397.0m
構造形式鋼4径間連続非合成鈑桁橋+PC3径間連続ラーメン箱桁曲線橋
設計荷重B活荷重
支間長39.3m+2@40.25m+39.65m+66.0m+102.0m+66.0m

所在地

丸バエ川橋

 丸バエ川橋は、北九州市を起点とし、大分、宮崎、鹿児島各県を結び鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の門川IC日向~ICに位置する橋長251.7mの橋梁です。

 本橋梁は、上部工形式に門川ICランプを跨ぐA1~P1間を鋼2主鈑桁(支間長49m)、その他のP1~A2間の6径間をPRC2主版桁(標準支間長約33m)とした7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋を採用し、走行性や耐震性、維持管理性の向上を図っています。また、鋼桁部は、ランプ部を横過することから塗替えサイクルの延命化を図るため防食性の高いアルミニウム・マグネシウム合金プラズマ溶射工法を用いた金属溶射を採用しています。

 鋼とコンクリートの接合部は、中詰コンクリート後面支圧板方式のマルチセル構造であり、PRC桁は2主版桁から箱桁に断面変化を行い鋼桁と接合しています。

 添接部の金属溶射の施工においては、本施工前に継手性能確認試験、溶射困難箇所確認試験などを実施し、その結果を本施工に反映させています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地宮崎県臼杵群門川町
橋長251.7m
構造形式7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大49m

所在地

菱田川橋

 菱田川橋は、北九州市を起点とし、大分県、宮崎県を通り鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の曽於弥五郎IC~末吉財部IC間に位置する橋梁です。

 本橋は橋長688mのPC8径間連続ラーメン波形鋼板ウェブ箱桁橋であり、最大支間長は河川横過部であるP4橋脚~P5橋脚間の124m、桁高は3.7m~8.0mと変化する変断面構造となっています。

 架設は片持張出架設工法を採用していますが、波形鋼板ウェブに上フランジ及び下フランジを接合した構造とし、下床版の支保荷重を波形鋼板ウェブに受け持たせるようにして波形鋼板を架設材として利用するようにしたため、張出架設時の1ブロックの施工長さを大きくすることができ、それにより全体の施工ブロック数を20ブロック減らすことができました。その結果、張出架設用のPC鋼材等の数量も低減でき、コスト削減・工期短縮を実現しています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地鹿児島県曽於市大隅町
橋長688m
構造形式PC8径間連続ラーメン波形鋼板ウェブ箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大124m

所在地

熊本駅東口駅前交差点立体横断施設

 本橋梁は、熊本駅東口駅前交差点に発生集中する交通の円滑な処理と市電通りを挟んで駅の向かい側に計画されている再開発ビルや河川親水広場への安全かつ快適な歩行動線の確保を目的として設置された立体横断施設(ペデストリアンデッキ)である。

 熊本駅周辺地域都市空間デザインガイドの「出会いの景」という空間構成コンセプトが求める“空間の抜け”を意識して桁高を出来るだけ薄く抑える必要があったことから、4つの橋台、橋脚と一体(ラーメン)構造を採用し、全方向に高次不静定な構造物として耐震性に優れた薄い鋼床版箱桁としている(4叉式上下部一体構造の3次元断面の鋼床版箱桁橋)。

 意匠デザインは東口駅前広場の設計者である世界的建築家の西沢立衛氏による監修を受け、市電電停上屋(大屋根)と共に描くゆるやかな曲線の美しさは、熊本の玄関口として新しい顔となっている。

橋梁概要

路線名都市計画道路熊本駅帯山線(県道熊本停車場線)
所在地熊本県熊本市春日
橋長(北側)86.8m、(南側)101.4m
構造形式上下部一体鋼ラーメン橋(鋼床版箱桁橋)
設計荷重
支間長(北側)37.2m+49.6 m、(南側)61.4m+40.0m

所在地

五ヶ瀬大橋

 当路線は、宮崎県延岡市別府町を起点とし延岡市古川町に至る延長約4.7kmの都市計画道路であり、延岡市西環状線の一部区間を構成している重要な路線です。

 五ヶ瀬大橋は、延岡西環状線の内、一般国道218号と地域高規格道路延岡インター線を結ぶ五ヶ瀬川に架かる橋梁として整備され、橋長190.2m、最大支間長46.35m、有効幅員23.0mの4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)となっています。

 架設工法は、架設桁架設工法により施工しています。


橋梁概要

路線名主要地方道 稲葉崎平原線
所在地宮崎県延岡市古川町
橋長190.2m
構造形式4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)
設計荷重B活荷重
支間長46.35m

所在地

香椎高架橋

 一般国道3号博多バイパスは福岡市東部地域の交通混雑の解消及び生活道路の安全性向上、福岡空港や博多駅、博多港などの物流拠点へのアクセス時間の短縮を図り物流活動を支援することを目的としており、平成30年3月に全線供用した道路です。

 香椎高架橋は、香椎川、主要地方道福岡東環状線、JR香椎線を跨ぐ橋梁で、平成21年度から下部工に着手し、平成29年度に完成しています。

 近隣には国の重要文化財である仲哀天皇の神霊を祀っている香椎宮があり、本橋が跨ぐ福岡東環状線はその香椎宮の参道であるため、クス並木が続く緑豊かな地域となっています。そのため、『PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋』を採用し、桁高を低くして桁下の煩雑さをなくすことにより開放感が感じられるような構造としています。その他に高欄には擬宝珠(ぎぼし)の付いた朱色の鋳鉄製防護柵の採用や、下部工を柱勝(はしらかち)形状とすることで参道の鳥居のイメージ化を図ったりするなど地域の景観に配慮し施工を行っています。

橋梁概要

路線名国道3号(博多バイパス)
所在地福岡県福岡市東区香椎
橋長96.0m
構造形式PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋
設計荷重B活荷重
支間長36.75m

所在地