蟻尾山大橋

 鹿島バイパスは、交通渋滞が慢性化している鹿島市街地の渋滞緩和のために、環状線として昭和50年に都市計画決定された一般国道207号の一部となる佐賀県鹿島市井手から佐賀県鹿島市浜町を結ぶ延長9.15kmの道路です。平成15年に暫定2車線にて全線供用後、引き続き4車線化事業に着手し、令和2年12月に全線4車線化を完了しました。

 蟻尾山(ぎびざん)大橋の架設にあたっては現道拡幅工事であることから、供用中の道路に隣接しての工事となり一般通行車両の安全に留意し施工しました。また、渡河部においては、環境に配慮してセメントを含んだ濁水が河川に流出しないようシート設置や中和処理などの対策を行いながら施工しました。

 当該バイパスの完成により鹿島市街地の渋滞緩和や交通安全の確保、さらに、観光・産業振興が図られ地域のさらなる活性化に繋がることを期待しています。

※写真提供:佐賀県

橋梁概要

路線名国道207号 鹿島バイパス
所在地佐賀県鹿島市大字高津原~鹿島市大字納富分
橋長235.0m
構造形式(第一径間)ポステンPCコンポ桁、(第二径間)ポステンPC箱桁、
(第三径間)プレテンPCホロー桁、
(第四~六径間)3径間連続プレテンPCT桁、
(第七~九径間)3径間連結プレテンPCT桁
設計荷重B活荷重
支間長25.2m+54.4m+11.9m+22.4m+22.3m+22.1m+22.3m+22.3m+22.0m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第12号発行時(令和3年3月)の情報です。

六角川大橋

 佐賀福富道路は有明海沿岸道路の一部を構成し、並行する一般国道444号の交通渋滞及び交通隘路区間の回避を目的とした延長約10.5kmの高規格道路です。嘉瀬南ICから芦刈南ICまでの6.5km区間は平成27年度までに開通しており、六角川大橋を含む芦刈南ICから福富ICまでの3.5km区間は令和3年7月に開通しました。

 六角川大橋は一級河川六角川を渡河する橋長982.0mの橋梁で、平成26年度に着手し、令和3年に完成しています。

 当該橋梁の架設にあたっては分割した桁を台船で現場へ輸送し、600t吊りの起重機船を用い施工しました。その際、有明海が日本一の干満差を有し、1回当りの作業時間が約4時間という厳しい時間的制約の中での施工を行っています。

 当該道路の整備により沿線地域における人・モノの交流が促進され、産業や観光の振興、災害発生時の救急・救援物資の輸送機能を強化、医療施設への救急搬送時間が短縮され、暮らしの向上に寄与することを期待しています。

※写真提供:佐賀県

橋梁概要

路線名国道444号 有明海沿岸道路(佐賀福富道路)
所在地佐賀県小城市芦刈町大字永田~佐賀県杵島郡白石町福富下分
橋長982.0m
構造形式(左岸側)鋼4径間連続非合成鈑桁×2
(渡河部)鋼4径間連続鋼床版箱桁
(右岸側)鋼5径間連続非合成鈑桁
設計荷重B活荷重
支間長35.12m+35.75m+35.75m+35.25m+34.65m+35.3m
+40.2m+39.225m+107.25m+190.0m+114.0m+75.225m
+38.85m+40.0m+40.0m+40.0m+39.25m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。

早津江川橋(仮称)

 有明海沿岸道路は福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市に至る地域高規格道路で、重要港湾三池港、九州佐賀国際空港などの広域交通拠点と有明海沿岸地域の都市群を連携するとともに、一般国道208号の交通混雑の緩和及び交通安全の確保を目的としており、現在37.5km(福岡県27.5km、佐賀県10.0km)が開通しています。

 大野島IC~(仮称)諸富IC間に位置する早津江川橋は隣接する筑後川橋と同様に1本のアーチリブが支点上で2本に分岐するアーチ橋を採用しています。本橋のデザインコンセプトは「三重津海軍所跡に馴染む緩やかなラインが美しく見える橋」で、透過性を高めるためにシンプルな1連(単弦)アーチを採用することで周辺環境と調和させています。また、下から見た時に圧迫感がないよう橋桁高さを抑え、さらに、三重津海軍所跡に橋脚を設けない構造を採用しています。

 シンボルであるアーチは、六角形断面にすることで様々な角度から光の陰影で変化します。橋桁の塗装色は、周辺に緑が多い場所であるため緑を基調とした「薄い裏葉色」にしています。

※裏葉色(うらはいろ)とは…木の葉や草の葉裏のような淡くくすんだ薄緑色のこと。別に「うらばいろ」ともいいます。

※写真提供:国土交通省 九州地方整備局

橋梁概要

路線名国道208号有明海沿岸道路
所在地福岡県大川市大野島地先~佐賀県佐賀市大字諸富地先
橋長448.0m
構造形式鋼4径間連続中路式アーチ橋
設計荷重B活荷重
支間長最大150.0m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。

天河大橋

 本橋梁は、嘉瀬川ダム建設に伴う付替国道(一般国道323号)の一環として天河(あまご)川と嘉瀬川の合流部に建設された、橋長81.2mの2径間連続非合成鈑桁橋である。

 一般国道323号は、川上金立県立自然公園内をとおる重要な幹線道路であり、本橋梁もその公園内に位置している。このため、景観に配慮すべく、関係自治体と協議し、地元特産品である伽羅柿を基本イメージとして、桁の色を決定したほか、高欄・親柱については、「古湯熊の川温泉地活性化運営委員会」との協議を基に色彩・デザインを決定している。

橋梁概要

路線名一般国道323号
所在地佐賀県佐賀市富士市大字古湯
橋長81.2m
構造形式2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大 39.85m

所在地

有明嘉瀬川大橋

 平成23年3月6日に有明海沿岸道路(佐賀福富道路)の嘉瀬南IC~久保田IC間(約1.7km)が開通しました。この区間にある有明嘉瀬川大橋は嘉瀬川を渡る全長710mの自動車専用道路橋で、渡河部は281mのPCラーメン箱桁橋、両岸のアプローチ部は237.5mと191.5mの連続鈑桁橋です。

 橋梁の設計にあたっては、学識経験者を含めた設計検討会を開催し軟弱な有明粘土の地盤定数を決定するなど合理的な設計に努めコスト縮減を図りました。

橋梁概要

路線名国道444 号 有明海沿岸道路(佐賀福富道路)
所在地佐賀市嘉瀬町~久保田町
橋長710.0m
構造形式鋼8径間連続非合成鈑桁(右岸高架橋)
PC3径間連続ラーメン箱桁(渡河部)
鋼6径間連続非合成鈑桁(左岸高架橋)
設計荷重B活荷重
支間長最大121.0m

所在地

佐賀大橋

 佐賀大橋は、福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の県境に位置する一般国道385号の橋梁です。一般国道385号は福岡県柳川市を起点として、久留米市、佐賀県神埼市などを経由して福岡市に至る幹線道路となっています。

 本橋は、福岡都市圏の水道用水の確保、洪水調節及び異常渇水時の緊急補給などを目的とした五ヶ山ダムの建設に伴い、一部水没する国道385号の付け替えのため平成20年度からダム貯水部を跨ぐ橋梁工事に着手し、平成24年度に供用しました。

 佐賀大橋は橋長338.0m、上部構造は鋼6径間連続箱桁橋、下部構造は張出式橋脚及び逆T式橋台となっています。基礎構造は橋脚部に直接基礎、橋台部には深礎杭を採用しています。上部工架設はクレーンベント工法により施工しました。

橋梁概要

路線名一般国道385号
所在地福岡県筑紫郡那珂川町~佐賀県神埼郡吉野ヶ里町
橋長338.0m
構造形式鋼6径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.0+55.0+65.0×2+60.0+48.0m

所在地