西瀬橋

 西瀬橋は、熊本県人吉市と同県水俣市を東西に結ぶ主要地方道人吉水俣線が一級河川球磨川を渡河する橋梁です。令和2年7月豪雨では球磨川流域に線状降水帯が形成され、橋梁の流出や道路が寸断するなど甚大な被害をもたらしました。西瀬橋においても、4径間のうちP2-P3間の1径間が流出しました。

 甚大な被害が出たことにより、西瀬橋を含む流出した橋梁10橋及び球磨川両岸道路約100kmにおいて国の権限代行によって災害復旧事業に着手することになりました。

 西瀬橋は人吉市の市街地部と西瀬小学校を結ぶ通学路となっており、迂回路となる市道は遠回りになる上に狭い箇所や線形不良区間があるなど安全性に課題があり、西瀬橋の早期復旧が望まれていました。

 被災した時期が7月であったため、小学校の二学期が始まる前に西瀬橋が利用できるよう応急組立橋を活用し、二学期の始まる令和2年9月4日に仮橋にて開通することができました。本復旧においては、専門的な学識経験者等により構成された「球磨川橋梁復旧技術検討会」において原位置復旧を確認し、早期に設計を実施するとともに、令和5年の冬休み期間中に仮橋を撤去し流出した1径間の新橋を一括で架設することにより、同年1月の三学期が始まる前に歩道部を完成させ通学路を確保しました。同年2月には車道部を含めて西瀬橋の本復旧が完了し、被災前と同じ姿の西瀬橋として皆様に利用していただけることとなりました。

※写真提供:国土交通省 九州地方整備局

橋梁概要

路線名主要地方道人吉水俣線
所在地熊本県人吉市相良町字1丁田~人吉市矢黒町字西ノ園
橋長174.0m
構造形式鋼4径間単純トラス橋
設計荷重TL-14
支間長最大42.21m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第15号発行時(令和6年3月)の情報です。