
一般県道御船甲佐線は、熊本県上益城郡御船町から甲佐町に至る路線です。田口橋はこの路線が一級河川緑川を渡河する箇所に位置し、平成28年4月の熊本地震により橋の上部工が移動・衝突したためPC桁が大きく破損し、橋脚・橋台には断面欠損やひび割れが発生しました。
復旧にあたっては、幅員狭小による交通混雑の解消や再度被災防止のため、改良復旧事業を適用しました。上部工は鋼4径間連続鋼床版箱桁を採用し、桁の連続化や橋脚の巻立補強等により橋梁の耐震性能を向上させるとともに、幅員を拡幅することで利便性の向上を図りました。
工事については早期に完了させるため、河川でも通年施工可能な送り出し工法により架設作業を行い、令和元年8月に供用を開始しました。
田口橋は被災部分を単に復旧するのではなく、幅員を従来の1車線から2車線に拡幅する等の創造的復興に取り組みました。これにより、安全で円滑な車両の往来が可能となり、通勤・通学等の生活道路として、また、地域農産物の輸送などの物流道路として地域の更なる発展に寄与することを期待しています。


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橋梁概要
路線名 | 一般県道御船甲佐線 |
所在地 | 熊本県上益城郡甲佐町田口 |
橋長 | 262.6m |
構造形式 | 鋼4径間連続鋼床版箱桁橋 |
設計荷重 | B活荷重 |
支間長 | 最大32.6m |