佐渡の谷大橋

 一般国道327号は宮崎県日向市を起点とし、東臼杵郡美郷町・諸塚村・椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路で、第1次緊急輸送道路にも位置づけられ、中山間地域と地方都市圏を結ぶライフラインとして非常に重要な役割を担う路線です。

 現在整備を進めている諸塚村と椎葉村の村界付近の区間においては、九州電力が耳川(二級河川)に設置した塚原ダムの貯水池に面していることもあり、線形が悪く幅員も狭いため、普通車同士のすれ違いが困難な状況であることから、バイパス整備により安全かつ円滑な通行の確保を図っているところです。

 佐渡の谷大橋は橋長124.0mのPCTラーメン箱桁橋で、張出し架設工法により施工し、橋脚の基礎には大口径深礎杭(φ8000)を採用しています。施工時には大量の湧水が発生し、掘削が困難となる事態に見舞われました。このため、湧水対策として薬液注入による地盤改良と合わせ、矢板締切による薬液流出防止対策を実施したことにより無事に工事を終え、令和5年12月に供用を開始しました。

 今後は整備区間内に計画している他の橋梁等の事業を進めることとしており緊急輸送道路としての機能確保に加え、地域間交流による沿線町村の活性化に寄与できるよう、引き続き早期の効果発現に取り組んでまいります。 

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名国道327号
所在地宮崎県東臼杵郡椎葉村大字松尾
橋長124.0m
構造形式PCTラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大60.9m

所在地