
県道栃野西大山線は日田市中津江村の主要地方道天瀬阿蘇線を起点とし、同市大山町の国道212号へ至る延長約4.8kmの幹線道路であり、地域住民の生活道路や木材等の運搬経路として地域を支える重要な路線です。また、主要観光地を結び九州横断自動車道日田ICに繋がる観光路線であると共に、大分県の地域防災計画において「緊急輸送道路」に指定されています。
本路線のうち当該区間は、線形不良・幅員狭小に加え現道に所在するトンネルの建築限界が不足し、大型車等の通行に支障をきたしているため通行車両の安全確保と利便性向上を図ることを目的としたバイパス整備を推進しています。
「新蕨野橋」は、経済性や施工性、景観性等を考慮した鋼単純上路トラス橋を選定し、ケーブルエレクション工法で架設を行いました。
架設にあたっては、松原ダムのダム湖横断部に位置すると共に、現道の既設橋や新設トンネルの坑口に近接し施工ヤードが狭小のため仮設機材の配置に苦慮しました。また、施工ヤード出入口の見通しが悪いため、車両感知器を配置するなど安全に配慮し施工を行いました。
引き続き他の橋梁やトンネル等の整備を促進し、バイパスを早期供用させることで緊急輸送道路としての機能性を向上させ、安心・安全な住民生活の確保を図ると共に産業や観光の振興、地域の活性化に大きく寄与するものと期待しています。

※写真提供:大分県
橋梁概要
路線名 | 一般県道栃野西大山線 |
所在地 | 大分県日田市中津江村栃野 |
橋長 | 78.0m |
構造形式 | 鋼単純上路トラス橋 |
設計荷重 | B活荷重 |
支間長 | 76.6m |