岩下橋

 一般国道219号は熊本県熊本市を起点とし、熊本県人吉市、宮崎県西米良村、西都市を経由し宮崎市に至る約170kmの幹線道路であり、第1次緊急輸送道路にも指定され沿線市町村の産業経済活動を支える重要な路線となっております。

 岩下工区は、九州中央山地の急峻な山間を流れる二級河川一ツ瀬川沿いに位置することから線形が悪く幅員も狭い区間となっており、異常気象時には災害による交通途絶が発生する等していました。このため宮崎県では平成27年度から岩下橋を含む延長1.0kmのバイパス整備を進めているところです。

 岩下橋は平成29年度から下部工に着手し、令和2年6月に供用開始しました。本橋梁の架設箇所は狭隘な谷間で桁下空間が利用できなかったため、「ケーブルエレクション直吊り工法」を採用しました。しかし、橋台背面に現道が近接しており限られた狭いヤードに鉄塔及びそれを支えるグランドアンカーを設置しなければならず、さらに現道交通への影響を必要最小限に抑えなければならないという厳しい条件での施工となりましたが、請負業者の創意工夫を持って安全で効率的な架設を行うことができました。

 今回の開通により幅員狭小や線形不良、災害等の危険性を解消し、緊急輸送道路としての機能向上を図るとともに安全安心な交通の確保に大きく寄与するものと期待されます。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名一般国道219号
所在地宮崎県西都市大字中尾
橋長84.0m
構造形式鋼上路式単純トラス橋
設計荷重B活荷重
支間長82.3m

所在地

※九州橋梁・構造工学研究会会報 第13号発行時(令和4年3月)の情報です。