香椎高架橋

 一般国道3号博多バイパスは、福岡市東部地域の交通混雑の解消及び生活道路の安全性向上、福岡空港や博多駅、博多港などの物流拠点へのアクセス時間の短縮を図り物流活動を支援することを目的としており、平成30年3月に全線供用した道路です。

 香椎高架橋は香椎川、主要地方道福岡東環状線、JR香椎線を跨ぐ橋梁で、平成21年度から下部工に着手し、平成29年度に完成しています。

 近隣には国の重要文化財である仲哀天皇の神霊を祀っている香椎宮があり、本橋が跨ぐ福岡東環状線はその香椎宮の参道であるためクス並木が続く緑豊かな地域となっています。そのため、『PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋』を採用し、桁高を低くして桁下の煩雑さをなくすことにより開放感が感じられるような構造としています。その他に高欄には擬宝珠(ぎぼし)の付いた朱色の鋳鉄製防護柵の採用や、下部工を柱勝(はしらかち)形状とすることで参道の鳥居のイメージ化を図ったりするなど地域の景観に配慮し施工を行っています。

橋梁概要

路線名国道3号(博多バイパス)
所在地福岡県福岡市東区香椎
橋長96.0m
構造形式PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋
設計荷重B活荷重
支間長36.75m

所在地

五ヶ瀬大橋

 当路線は、宮崎県延岡市別府町を起点とし延岡市古川町に至る延長約4.7kmの都市計画道路であり、延岡市西環状線の一部区間を構成している重要な路線です。

 五ヶ瀬大橋は延岡西環状線の内、一般国道218号と地域高規格道路延岡インター線を結ぶ五ヶ瀬川に架かる橋梁として整備され、橋長190.2m、最大支間長46.35m、有効幅員23.0mの4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)となっています。

 架設工法は、架設桁架設工法により施工しています。


橋梁概要

路線名主要地方道 稲葉崎平原線
所在地宮崎県延岡市古川町
橋長190.2m
構造形式4径間連結ポステンPCT桁橋(少主桁)
設計荷重B活荷重
支間長46.35m

所在地

熊本駅東口駅前交差点立体横断施設

 本橋梁は、熊本駅東口駅前交差点に発生集中する交通の円滑な処理と、市電通りを挟んで駅の向かい側に計画されている再開発ビルや、河川親水広場への安全かつ快適な歩行動線の確保を目的として設置された立体横断施設(ペデストリアンデッキ)です。

 熊本駅周辺地域都市空間デザインガイドの「出会いの景」という空間構成コンセプトが求める“空間の抜け”を意識して、桁高を出来るだけ薄く抑える必要があったことから4つの橋台、橋脚と一体(ラーメン)構造を採用し、全方向に高次不静定な構造物として耐震性に優れた薄い鋼床版箱桁としています(4叉式上下部一体構造の3次元断面の鋼床版箱桁橋)。

 意匠デザインは東口駅前広場の設計者である世界的建築家の西沢立衛氏による監修を受け、市電電停上屋(大屋根)と共に描くゆるやかな曲線の美しさは熊本の玄関口として新しい顔となっています。

橋梁概要

路線名都市計画道路熊本駅帯山線(県道熊本停車場線)
所在地熊本県熊本市春日
橋長(北側)86.8m、(南側)101.4m
構造形式上下部一体鋼ラーメン橋(鋼床版箱桁橋)
設計荷重
支間長(北側)37.2m+49.6 m、(南側)61.4m+40.0m

所在地

丸バエ川橋

 丸バエ川橋は北九州市を起点とし、大分、宮崎、鹿児島各県を結び鹿児島市に至る東九州自動車道(延長約436km)の門川IC~日向ICに位置する橋長251.7mの橋梁です。

 本橋梁は、上部工形式に門川ICランプを跨ぐA1~P1間を鋼2主鈑桁(支間長49m)、その他のP1~A2間の6径間をPRC2主版桁(標準支間長約33m)とした7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋を採用し、走行性や耐震性、維持管理性の向上を図っています。また、鋼桁部はランプ部を横過することから塗替えサイクルの延命化を図るため、防食性の高いアルミニウム・マグネシウム合金プラズマ溶射工法を用いた金属溶射を採用しています。

 鋼とコンクリートの接合部は中詰コンクリート後面支圧板方式のマルチセル構造であり、PRC桁は2主版桁から箱桁に断面変化を行い鋼桁と接合しています。

 添接部の金属溶射の施工においては、本施工前に継手性能確認試験、溶射困難箇所確認試験などを実施し、その結果を本施工に反映させています。

橋梁概要

路線名東九州自動車道
所在地宮崎県臼杵群門川町
橋長251.7m
構造形式7径間連続鋼・コンクリート混合桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大49m

所在地

栄川運河橋

 

 栄川運河橋は、地域高規格道路山口宇部小野田連絡道路の主要区間である宇部湾岸道路(延長6.0km)の栄川運河を横断する橋梁であり、湾岸エリアのランドマークとなっています。

 本橋の特徴は橋梁形式が3径間連続複合斜張橋(主径間:鋼桁、側径間:PC桁)で、主径間(鋼桁部)の平面線形がS字型であり、また、主塔(A形)の片側柱に12段のケーブルが定着された1面吊り形式としていることです。

 設計では3次元の複雑な構造設計、耐風安定性の問題、主径間の張出し架設時の検討などを実施しています。主桁断面は、耐風安定性を考慮して扁平な梯形箱桁(3室構造)で、床版は主径間が鋼床版、側径間がRC床版となっています。

 主径間の張出し架設は、3次元の変位を管理しながらケーブルをサイクル架設する難度の高い架設工法です。また、ケーブルはストランド単位で架設する現場施工型ケーブルを用いています。

橋梁概要

路線名宇部湾岸道路
所在地山口県宇部市藤曲(ふじまがり)地内
橋長290m
構造形式3径間連続複合斜張橋
設計荷重B活荷重
支間長189.15m

所在地

相生橋

 

 主要地方道宮崎西環状線は、地域高規格道路宮崎環状道路(候補路線)の一部を構成する路線であり、市中心部に流入する通過交通を排除・分散し、中心部の混雑を緩和する役割を担う重要な幹線道路です。

 相生橋は、宮崎西環状線において一級河川大淀川を渡河する橋長412.3m、有効幅員22.0m、最大支間長130.0mの橋梁で、平成21年度から橋梁整備に着手し平成27年2月10日に供用開始を行いました。本橋は、上部構造にコンクリートウェブを軽量な波形鋼板に置き換えた波形鋼板ウェブPC箱桁橋を採用しており、橋脚頭部より移動作業車による片持架設工法で施工を行いました。

 相生橋周辺には、東九州自動車道の宮崎西インターチェンジやプロ野球のソフトバンクホークスがキャンプを行う「生目の杜運動公園」などがあり、相生橋の開通により安全で円滑な交通の確保と地域の発展に大きな期待が寄せられています。

 

橋梁概要

路線名主要地方道宮崎西環状線
所在地右岸:宮崎県宮崎市大字跡江、左岸:宮崎県宮崎市大字瓜生野
橋長412.3m
構造形式4径間連続波形鋼板ウェブPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長130.0m

所在地

跡江高架橋

 主要地方道宮崎西環状線は宮崎環状道路の一部を構成する路線であり、宮崎市中心部に流入する通過交通を排除・分散し、中心部の混雑を緩和する役割を担う重要な幹線道路です。

 跡江高架橋は、宮崎西環状線において県道南俣宮崎線を跨ぐ橋長210.0m、幅員18.0m、最大支間長45.0mの橋梁で、平成22年度から下部工に着手し平成27年2月に供用開始しました。架設工法はベント併用トラッククレーン架設で、県道部分を跨ぐ支間は夜間全面通行止めにより施工しました。

橋梁概要

路線名主要地方道 宮崎西環状線
所在地宮崎県宮崎市大字跡江
橋長210.0m
構造形式鋼5径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長34.1m+3@45.0+39.1m

所在地

小郡JCTLランプ二号線

 小郡JCTは、地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」の一部を構成する山口宇部道路の流通センターIC~長谷IC間に位置し、山口宇部道路と中国縦貫自動車道(以下、「中国道」という)を8つのランプで連結するものです。6つの橋梁により中国道や市道と立体交差する構造となっており、平成24年度から工事に着手し平成28年3月27日に供用開始を行いました。

このうち、「小郡JCTLランプ二号橋」は中国道や市道等を跨ぐ橋長83.0mの橋梁であり、上部工については山口県が桁の製作を行い、山口県と委託契約を締結した西日本高速道路(株)が中国道の山口JCT~美祢東JCT間を夜間通行止めし550tクレーンにより架設を行いました。架設時は通行止めした中国道本線上で見学会が開催され、地元住民や学生等約160人の参加がありました。

橋梁概要

路線名山口宇部道路小郡JCT(主要地方道山口宇部線)
所在地山口県山口市小郡上郷
橋長83.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.3m+36.3m

所在地

宗麟大橋

 都市計画道路「庄の原佐野線」は東九州自動車道や都市内道路と一体的に機能し、地域間の連携と都市活動の活性化を目的とした大分市内の東西骨格軸となる幹線道路で、大分ICから都市計画道路下郡中判田線までの約6.0kmの区間が地域高規格道路「大分中央幹線道路」に指定されています。

 「宗麟大橋」を含む約1.2km区間は「元町・下郡工区」として平成20年度に事業着手し、平成30年1月に供用開始しました。なお、大分川河口部にかかる橋梁では約半世紀ぶりの新設となるため、開通イベントには約5,000名の県民の参加があり、交通渋滞の緩和や高速道路へのアクセス、さらには災害時の緊急輸送道路の役割に対する期待の高さを実感したところです。

 当橋梁の上部工は架設位置での河川断面の特性によって異なる架設方法を採用しており、高水敷部では「トラッククレーンベント工法」、低水路部ではベント設備が設置できないため桁の前部に手延機を継ぎ足し、順次後方ヤードで桁を組み立てながら送り出していく「手延式送出工法」の架設工法を採用しました。

 なお、この橋梁名「宗麟大橋」は、県民を対象に一般公募し、約1700件の応募の中から決定したものです。

橋梁概要

路線名都市計画道路 庄の原佐野線(主要地方道 大分臼杵線)
所在地大分県大分市大分
橋長349.9m
構造形式鋼6径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長57.25m+4@58.25m+57.25m

所在地

佐賀大橋

 佐賀大橋は、福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の県境に位置する一般国道385号の橋梁です。一般国道385号は福岡県柳川市を起点として、久留米市、佐賀県神埼市などを経由して福岡市に至る幹線道路となっています。

 本橋は、福岡都市圏の水道用水の確保、洪水調節及び異常渇水時の緊急補給などを目的とした五ヶ山ダムの建設に伴い、一部水没する国道385号の付け替えのため平成20年度からダム貯水部を跨ぐ橋梁工事に着手し、平成24年度に供用しました。

 佐賀大橋は橋長338.0m、上部構造は鋼6径間連続箱桁橋、下部構造は張出式橋脚及び逆T式橋台となっています。基礎構造は橋脚部に直接基礎、橋台部には深礎杭を採用しています。上部工架設はクレーンベント工法により施工しました。

橋梁概要

路線名一般国道385号
所在地福岡県筑紫郡那珂川町~佐賀県神埼郡吉野ヶ里町
橋長338.0m
構造形式鋼6径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.0+55.0+65.0×2+60.0+48.0m

所在地