苅田若久高架橋

 『苅田若久高架橋』は、北九州空港と東九州自動車道を結ぶ「新北九州空港線」で整備を進めている県道と町道の上を越える跨道橋です。

 本橋梁を整備している一般県道「新北九州空港線」は、「北九州空港」と東九州自動車道「苅田北九州空港インターチェンジ」を連絡する唯一の路線です。ユニ・チャーム・プロダクツやトヨタ自動車九州などが立地する周辺の工業団地、また重要港湾「苅田港」へのアクセスという面でも重要な役割を果たす延長約8.0kmの幹線道路です。

 「北九州空港」は平成18年に開港した九州唯一の24時間空港であり、近年、空港利用数が増加傾向にあります。また、「東九州自動車道」は平成28年に福岡県域区間が全線開通し、その交通需要は増加傾向にあります。これらを連絡する「新北九州空港線」は、主要地方道門司行橋線・町道臨空産業団地2号線と平面交差しており、交差点部の混雑解消が喫緊の課題となっていました。本橋梁の整備により円滑な通行が確保され、北九州空港、東九州自動車道間のアクセス性の向上と周辺地域の産業振興が見込まれます。

 『苅田若久高架橋』は橋長は482mで下部工は14基、上部工は5つの形式に分かれた連続橋です。

交差点上に架設を行う2号橋・4号橋については地域の交通への影響が最小限となるよう夜間に全面通行止めを行い、多軸式特殊台車を用いて一括架設を行いました。その際、空港利用者等への影響が最小限となるよう各管理者との調整を行い工事の周知を徹底いたしました。

 橋梁本体は令和2年11月に完成しており、令和3年春の開通に向けて橋面及び周辺の整備を進めているところです。

※写真提供:

橋梁概要

路線名一般県道 新北九州空港線
所在地福岡県京都郡苅田町~若久町
橋長482.0m
構造形式1号橋:PC2径間連結ポステン少主桁
2号橋:鋼単純鋼床版箱桁
3号橋:PC7径間連結ポステン少主桁
4号橋:鋼単純鋼床版箱桁
5号橋:PC2径間連結ポステン少主桁
設計荷重B活荷重
支間長34.9m+61.5m+30.0m+69.5m+34.45m

所在地

田口橋

 一般県道御船甲佐線は、熊本県上益城郡御船町から甲佐町に至る路線です。田口橋はこの路線が一級河川緑川を渡河する箇所に位置し、平成28年4月の熊本地震により橋の上部工が移動・衝突したためPC桁が大きく破損し、橋脚・橋台には断面欠損やひび割れが発生しました。

 復旧にあたっては、幅員狭小による交通混雑の解消や再度被災防止のため、改良復旧事業を適用しました。上部工は鋼4径間連続鋼床版箱桁を採用し、桁の連続化や橋脚の巻立補強等により橋梁の耐震性能を向上させるとともに、幅員を拡幅することで利便性の向上を図りました。

 工事については早期に完了させるため、河川でも通年施工可能な送り出し工法により架設作業を行い、令和元年8月に供用を開始しました。

 田口橋は被災部分を単に復旧するのではなく、幅員を従来の1車線から2車線に拡幅する等の創造的復興に取り組みました。これにより、安全で円滑な車両の往来が可能となり、通勤・通学等の生活道路として、また、地域農産物の輸送などの物流道路として地域の更なる発展に寄与することを期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名一般県道御船甲佐線
所在地熊本県上益城郡甲佐町田口
橋長262.6m
構造形式鋼4径間連続鋼床版箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大32.6m

所在地

蟻尾山大橋

 鹿島バイパスは、交通渋滞が慢性化している鹿島市街地の渋滞緩和のために、環状線として昭和50年に都市計画決定された一般国道207号の一部となる佐賀県鹿島市井手から佐賀県鹿島市浜町を結ぶ延長9.15kmの道路です。平成15年に暫定2車線にて全線供用後、引き続き4車線化事業に着手し、令和2年12月に全線4車線化を完了しました。

 蟻尾山(ぎびざん)大橋の架設にあたっては現道拡幅工事であることから、供用中の道路に隣接しての工事となり一般通行車両の安全に留意し施工しました。また、渡河部においては、環境に配慮してセメントを含んだ濁水が河川に流出しないようシート設置や中和処理などの対策を行いながら施工しました。

 当該バイパスの完成により鹿島市街地の渋滞緩和や交通安全の確保、さらに、観光・産業振興が図られ地域のさらなる活性化に繋がることを期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道207号 鹿島バイパス
所在地佐賀県鹿島市大字高津原~鹿島市大字納富分
橋長235.0m
構造形式(第一径間)ポステンPCコンポ桁、(第二径間)ポステンPC箱桁、
(第三径間)プレテンPCホロー桁、
(第四~六径間)3径間連続プレテンPCT桁、
(第七~九径間)3径間連結プレテンPCT桁
設計荷重B活荷重
支間長25.2m+54.4m+11.9m+22.4m+22.3m+22.1m+22.3m+22.3m+22.0m

所在地

新阿蘇大橋(仮称)

 国道325号は熊本県と大分県を結ぶ国道57号から分岐して宮崎県高千穂町につながる道路であり、物流や観光など交通ネットワークの重要な役割を担っています。

 このうち、平成28年4月に発生した熊本地震により落橋した阿蘇大橋を含む約1km区間について、国の直轄代行により令和3年3月頃の開通を目指し復旧を進めています。

 阿蘇大橋の架け替えにあたっては、斜面崩壊や周辺斜面の影響を回避でき南阿蘇村内のコミュニティー確保にも寄与することなどを考慮し、元の位置から約600m下流側に架け替えを行うこととしました。

 また、橋梁形式の選定について渡河部は斜面上部の端支点が移動しても自立可能なPC3径間連続ラーメン箱桁橋、推定活断層を跨ぐことになるアプローチ部は、断層変位に対して容易には落橋しないよう配慮し、鋼3径間連続鈑桁橋及び鋼単純箱桁橋を採用しました。

 道路機能の早期復旧の観点から工期短縮に資する施工技術を採用し、昼夜問わず復旧にあたっている施工業者や関係機関等と連携しながら、一日も早い復旧に努めています。

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橋梁概要

路線名国道325号
所在地熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字立野~河陽
橋長525.0m
構造形式鋼3径間連続鈑桁橋+鋼単純箱桁橋+PC3径間連続ラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大41.0m、最大61.9m、最大165.0m

所在地

甑大橋

 甑大橋は、鹿児島県薩摩半島の西方に浮かぶ上甑島・中甑島・下甑島の3つの有人島のうち、中甑島と下甑島を結ぶ全長1,533mの鹿児島県で最も長い橋梁です。

 上甑島と中甑島は平成5年に橋で繋がっていましたが、これまで下甑島との移動手段は船しかありませんでした。鹿児島県では甑島島民の方々の強い要望を受け、平成18年度から甑大橋を含む5.1キロメートルを藺牟田瀬戸架橋工区として道路整備に着手し、平成23年から甑大橋の工事に本格的に着手しました。
 
 甑大橋の工事は仮桟橋による陸上施工と作業船による海上施工に分けて行われ、海峡特有の複雑な潮流や台風や冬季風浪のある厳しい海象条件の難工事でしたが、令和2年8月29日に無事開通することができました。
 
 今回の開通により文字どおり『甑はひとつ』が実現し、多様な海岸景観を有する国定公園である甑島へ、天候や時間帯に左右されずに周遊することが可能となります。また,医療体制や災害応援体制の向上,基幹産業である水産業の振興など,地域の発展に寄与するものと期待しています。

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橋梁概要

路線名鹿島上甑線
所在地鹿児島県薩摩川内市 鹿島町藺牟田~上甑町平良
橋長1533.0m
構造形式第1橋:PC3径間連続箱桁橋
第2橋:PC4径間連続箱桁橋
第3橋:PC4径間連続箱桁橋
第4橋:PC4径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大165.0m

所在地

大隈高架橋(仮称)

『大隈高架橋(仮称)』は、主要地方道筑紫野古賀線で整備を進めているJR篠栗線、二級河川多々良川水系多々良川、一般県道福岡篠栗線等を越える高架橋です。

「筑紫野古賀線」は筑紫野市を起点として糟屋郡を経由し、終点の古賀市に至る延長約33㎞の幹線道路です。また、一般国道3号と共に県下における南北方向の広域的な道路ネットワークを形成し、地域経済や住民生活を支えるうえで大きな役割を担う路線です。

本事業箇所は福岡ICに近く、沿線地域は福岡都市圏のベッドタウンとして宅地化が進んでおり、特に一般県道福岡篠栗線との交差箇所である「門松交差点」は福岡県交通渋滞対策協議会において主要渋滞箇所に指定されるなど、交通混雑の緩和が喫緊の課題となっていました。一般県道福岡篠栗線を高架する本橋梁を含めたバイパスの整備により、門松交差点の交通混雑の緩和と広域的な道路ネットワークの機能強化が図られます。

『大隈高架橋(仮称)』は、橋長は676.1mで下部工は26基、上部工は7つの形式に分かれた連続橋です。本橋梁は鉄道や道路、河川、水路など多くの物件を高架しており、施工時の条件整理など関係機関との協議に注力し建設を進めてきました。特にマンション等の住居に隣接していることから、防音シートなどの騒音対策に留意しながら施工を進めました。

橋梁本体は令和3年2月に完成しており、早期の開通に向けに向けて橋面及び周辺の整備を進めているところです。

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橋梁概要

路線名主要地方道 筑紫野古賀線
所在地福岡県糟屋郡須惠町~粕屋町
橋長676.1m
構造形式PC4径間連結プレテンT桁+PC4径間連結プレテンT桁+PC4径間連結ポステン少主桁+
PC4径間連結プレテンT桁+PC5径間連結プレテンT桁+PC2径間連結ポステン少主桁+
PC2径間連結ポステン少主桁
設計荷重B活荷重
支間長最大45.0m

所在地

左底高架橋

 一般県道奥ノ平時津線(時津工区)は、長崎市と佐世保市を1時間以内で結ぶことを目指して整備を進めている高規格道路「西彼杵道路」の一部区間です。並行する一般国道206号は交通混雑が著しく交通事故も多発しており、当工区の整備により渋滞緩和を図ることで交通事故減少や物流機能強化などが期待されています。

 「左底(さそこ)高架橋」は、橋長108.8m、幅員7.0(12.0)m、最大支間長41.8mからなる鋼3径間連続非合成鈑桁橋です。

 本橋の架設はトラッククレーン・ベント架設により実施しており、架橋地点上空に高圧線があるためレーザーによる警報監視システムを用いて上空の状況を把握しながら安全に施工することに努めました。また、隣接する町道の交通量が多いことから一般交通の影響を最小限に抑えるため、全面通行止めによる夜間施工を行ないました。

 本橋は令和3年10月末に床版工まで完了しており、令和4年度の供用に向けて橋面及び周辺の道路整備を進めています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名「西彼杵道路」一般県道奥ノ平時津線(時津工区)
所在地長崎県西彼杵郡時津町左底郷
橋長108.8m
構造形式鋼3径間連続非合成鈑桁
設計荷重B活荷重
支間長最大41.8m

所在地

六角川大橋

 佐賀福富道路は有明海沿岸道路の一部を構成し、並行する一般国道444号の交通渋滞及び交通隘路区間の回避を目的とした延長約10.5kmの高規格道路です。嘉瀬南ICから芦刈南ICまでの6.5km区間は平成27年度までに開通しており、六角川大橋を含む芦刈南ICから福富ICまでの3.5km区間は令和3年7月に開通しました。

 六角川大橋は一級河川六角川を渡河する橋長982.0mの橋梁で、平成26年度に着手し、令和3年に完成しています。

 当該橋梁の架設にあたっては分割した桁を台船で現場へ輸送し、600t吊りの起重機船を用い施工しました。その際、有明海が日本一の干満差を有し、1回当りの作業時間が約4時間という厳しい時間的制約の中での施工を行っています。

 当該道路の整備により沿線地域における人・モノの交流が促進され、産業や観光の振興、災害発生時の救急・救援物資の輸送機能を強化、医療施設への救急搬送時間が短縮され、暮らしの向上に寄与することを期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道444号 有明海沿岸道路(佐賀福富道路)
所在地佐賀県小城市芦刈町大字永田~佐賀県杵島郡白石町福富下分
橋長982.0m
構造形式(左岸側)鋼4径間連続非合成鈑桁×2
(渡河部)鋼4径間連続鋼床版箱桁
(右岸側)鋼5径間連続非合成鈑桁
設計荷重B活荷重
支間長35.12m+35.75m+35.75m+35.25m+34.65m+35.3m
+40.2m+39.225m+107.25m+190.0m+114.0m+75.225m
+38.85m+40.0m+40.0m+40.0m+39.25m

所在地

第一横瀬橋

 小郡萩道路は、県央の交通拠点である山口市小郡、県の主要観光地である秋吉台、山陰の中心都市である萩市を結び、中国縦貫自動車道等を連結することにより高規格道路ネットワークを形成する、延長約30kmの地域高規格道路です。

 平成23年に暫定2車線にて中国縦貫自動車道美祢東JCT~絵堂IC間の約13kmを供用開始したところであり、引き続き絵堂IC~山陰道萩IC間の約15kmについて、一般国道490号絵堂萩道路として平成26年度から事業を推進しています。このうち約9kmについては別線バイパスの自動車専用道路として、約6kmについては現道を活用することとして整備をしています。

 当該道路には14橋の橋梁を計画しており、この「第一横瀬橋」は急峻な山地の沢部を跨ぐ延長84mの鋼2径間連続非合成鈑桁橋で、上部工はトラッククレーンベント工法により架設を行いました。

 当該橋梁は縦断勾配4%の長い上り勾配の区間に位置していることから、車線構成としては片側1車線の車道に加え上り車線には付加追越車線を有しています。

 引き続き他の橋梁やトンネルの整備を推進し、当該道路を供用させることで県央部と山陰地域の交流促進、空港や新幹線駅などの広域交通拠点との連携強化、観光ネットワークの形成が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与すること期待しています。

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橋梁概要

路線名一般国道490号絵堂萩道路
所在地山口県萩市大字明木
橋長84.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大41.0m

所在地(正確な位置不明)

九折瀬橋

 一般国道445号は、熊本県熊本市中央区から人吉市に至る路線で、このうち八代市泉町椎原から球磨郡五木村大平の区間は川辺川ダム事業に伴う付替道路工事に併せて幅員狭小・線形不良の隘路区間を解消し、安全で円滑な交通の確保を目的に昭和57年度から全体延長10km、幅員7.0m(2車線)の道路改良工事を進めてきました。

 九折瀬橋(つづらせはし)は、一級河川球磨川水系川辺川を跨ぐ橋長105.0mの橋梁です。上部工は鋼単純下路式ニールセンローゼ橋を採用し、吊り材にケーブルが使用されているためオープンな視界が確保され、アーチの曲線により美観に優れていることやアーチの主構面を互いに傾斜させるバスケットハンドル形式にすることで耐震性の向上および上横構部材の短縮による工事費の低減を図りました。

 また桁の防食仕様については塗替サイクルに着目し、塗り替えが必要な塗装ではなくメンテナンスフリーの耐候性鋼材を採用することでライフルサイクルコストの低減を図りました。

 九折瀬橋の工事については、桁下が川辺川で谷地形となっているため、高度な技術力が必要となるケーブルエレクション工法により架設作業を行い、令和3年3月に工事が完了しました。

 当該バイパスについては現在も事業を進めており、安全で円滑な交通の確保による地域の発展に寄与するものと期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名一般国道445号
所在地熊本県球磨郡五木村九折瀬地内
橋長105.0m
構造形式鋼単純下路式ニールセンローゼ橋
設計荷重B活荷重
支間長最大103.1m

所在地