天岩戸橋側道橋

 下野鹿狩戸(しものかがりど)線は高千穂町大字下野から同町大字岩戸に至る一般県道であり、その沿線にある天岩戸神社の周辺では地元住民を主体とした「まちづくり」活動が活発に行われています。

 天岩戸橋は歩道が無いため観光客等の歩行者と通行車両の距離が近く、歩行者の安全確保が課題となっていたことから側道橋を整備することとなりました。

 本橋は地元のまちづくり等に取り組む関係者で構成された「まちづくり協議会」においてワークショップを行い、住民の意見を反映したデザインを採用しました。

 主桁は逆台形断面とすることで、一般的な張出し床版を有する長方形断面に比べて点検や維持管理を容易にするとともに、鋼材重量の低減を図り経済的な設計としました。

 上部工の架設方法は架橋位置が深い谷地形となることから手延式送出し工法を採用しましたが、支間長に対して施工ヤードが狭く地組できる桁の長さが制約されることから送出し作業の安全性の向上を図る必要があり、送出しジャッキと仮受けジャッキに送出し量や重量を測定する機器を取付け、重量が設計値内に収まっているか常時管理しました。また、降下設備の高さが5.0m以上となることから降下作業についても安全性の向上を図る必要があり、無線式傾斜管理システムを用いて常時降下設備の傾斜を管理しました。

 本橋の整備が、天岩戸神社を訪れる観光客等の安全な通行に寄与するものと期待しています。

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名一般県道下野鹿狩戸線
所在地宮崎県西臼杵郡高千穂町大字岩戸
橋長84.0m
構造形式単純鋼床版箱桁
設計荷重群集荷重
支間長82.2m

所在地

許田高架橋(上り線)

 NEXCO西日本が管理する許田高架橋(上り線)は沖縄自動車道の北端に位置し、国道58号から許田ICに接続する橋梁であり、沖縄北部地域と南部地域を繋ぐ重要な役割を担っています。
 
 本橋は昭和50年に供用開始し、RC床版において劣化が進行したため、令和4年1月~4月により耐久性の高いプレキャストPC床版に取替えを行いました。

 本現場では、プレキャストPC床版の架設にあたり国道58号が並走しており、新設床版をクレーンにて旋回させ架設することが不可能だったため、全断面床版架設機を用いて施工を行いました。

 また、工事期間中上り線の通行を確保するため下り線の2車線を活用し、昼夜連続対面通行規制を行い両方向の通行を確保したのち施工を行いました。
 
 NEXCO西日本では、本橋を含む高速道路リニューアルプロジェクトを実施しております。交通規制に伴う社会的な影響をできる限り軽減するための工夫を継続的に行い、お客様への安全・安心な走行確保に尽力します。

※写真提供:西日本高速道路(株)九州支社

橋梁概要

路線名E58 沖縄自動車道
所在地沖縄県名護市許田手水原
橋長449.5m
構造形式鋼(3+3+3+4径間)連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大42.04m

所在地

興徳寺橋

 1級市道千代今宿線は福岡市博多区千代と西区今宿までを結ぶ幹線道路であり、福岡市の中心地域から西部地域を繋ぐ重要な役割を担う二級河川の名柄川上に架かる橋梁になります。本橋梁は、福岡県の地域防災計画に位置付けられた第1次緊急輸送道路上にあるものの、現行の耐震基準を満たしていないことや、1964年(昭和39年)の架設から50年以上が経過しており老朽化が進んでいることから、架替工事を実施する事となりました。

 2014年(平成26年)に用地測量に着手後、仮橋を設置した上で本橋の架替工事に着手し、2022年(令和4年)に本橋の工事が完了しました。

 本橋の完成時には記念式典を開催し、地域の皆さまより喜びの言葉を頂きました。今回の架替えにより耐震化が図られ、第一次緊急輸送道路としての信頼性も確保されます。福岡市では市民の安全・安心な生活のため、今後とも橋梁耐震化の取り組みを進めてまいります。

※写真提供:福岡市

橋梁概要

路線名1級市道千代今宿線
所在地福岡市西区姪の浜5丁目地内
橋長26.5m
構造形式1径間(PCバイプレストレッシング中空床版橋)
設計荷重B活荷重
支間長15.0m

所在地

平佐麓橋

 主要地方道川内郡山線は、薩摩川内市鳥追町を起点とする鹿児島市郡山町に至る延長約29kmの幹線路線で、地域の生活・経済・観光を支えています。

 薩摩川内市宮崎町での朝夕の慢性的な渋滞や、川内原子力発電所有事の際は避難道路として交通が集中することも予想されることから、渋滞解消及び災害発生時の緊急避難・救急活動のルートとしての機能を確保するためバイパス整備を進めているところです。

 平佐麓橋は橋長35.9mで平佐川を渡河する橋梁であり、起点側に交差点が近接していることから河川条件を満足しつつ、交差点部の道路高への影響を少なくするため桁高の低い鋼単純鋼床版鈑桁橋が採用されています。

 橋梁名の平佐麓橋は地元自治体と協議し、平佐西地区の平佐麓自治会内に新設されたことから選定されています。また、橋名板については地元在住の書道家によって書かれたものです。

 平佐麓橋が末永く愛着を持ってご利用していただけるよう残る交差点改良工事を進め、一日も早い供用を目指しています。

※写真提供:鹿児島県

橋梁概要

路線名主要地方道 川内郡山線
所在地鹿児島県薩摩川内市宮崎町
橋長35.9m
構造形式鋼単純鋼床版鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大34.9m

所在地

佐渡の谷大橋

 一般国道327号は宮崎県日向市を起点とし、東臼杵郡美郷町・諸塚村・椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路で、第1次緊急輸送道路にも位置づけられ、中山間地域と地方都市圏を結ぶライフラインとして非常に重要な役割を担う路線です。

 現在整備を進めている諸塚村と椎葉村の村界付近の区間においては、九州電力が耳川(二級河川)に設置した塚原ダムの貯水池に面していることもあり、線形が悪く幅員も狭いため、普通車同士のすれ違いが困難な状況であることから、バイパス整備により安全かつ円滑な通行の確保を図っているところです。

 佐渡の谷大橋は橋長124.0mのPCTラーメン箱桁橋で、張出し架設工法により施工し、橋脚の基礎には大口径深礎杭(φ8000)を採用しています。施工時には大量の湧水が発生し、掘削が困難となる事態に見舞われました。このため、湧水対策として薬液注入による地盤改良と合わせ、矢板締切による薬液流出防止対策を実施したことにより無事に工事を終え、令和5年12月に供用を開始しました。

 今後は整備区間内に計画している他の橋梁等の事業を進めることとしており緊急輸送道路としての機能確保に加え、地域間交流による沿線町村の活性化に寄与できるよう、引き続き早期の効果発現に取り組んでまいります。 

※写真提供:宮崎県

橋梁概要

路線名国道327号
所在地宮崎県東臼杵郡椎葉村大字松尾
橋長124.0m
構造形式PCTラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大60.9m

所在地

池上Cランプ2号橋

 熊本西環状道路は、熊本市南区砂原町と北区下硯川町を結ぶ延長約12㎞の自動車専用道路です。平成29年3月に下硯川IC~花園IC間約4.1㎞が開通し、現在は令和7年度中の開通を目標に花園IC~池上熊本駅IC間(池上工区)約4.6㎞を整備しています。

 熊本西環状道路と一般道をつなぐインター線の一部であるCランプ2号橋は橋長197mの鋼5径間連続非合成鈑桁橋で、トラッククレーンベント架設工法で施工しました。橋梁の一部が河川を跨ぐため、クレーン設置箇所の選定や現地状況に合わせてベント配置計画の変更を行い令和6年3月に完成しました。

 本路線の開通により、渋滞緩和や定時制・速達性の確保はもとより災害時の代替路としてもその機能が大きく発揮されることが期待されます。

※写真提供:熊本市

橋梁概要

路線名一般県道池上インター線
所在地熊本市西区池上町地内
橋長197.0m
構造形式鋼5径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大45.1m

所在地