熊本駅東口駅前交差点立体横断施設

 本橋梁は、熊本駅東口駅前交差点に発生集中する交通の円滑な処理と市電通りを挟んで駅の向かい側に計画されている再開発ビルや河川親水広場への安全かつ快適な歩行動線の確保を目的として設置された立体横断施設(ペデストリアンデッキ)である。

 熊本駅周辺地域都市空間デザインガイドの「出会いの景」という空間構成コンセプトが求める“空間の抜け”を意識して桁高を出来るだけ薄く抑える必要があったことから、4つの橋台、橋脚と一体(ラーメン)構造を採用し、全方向に高次不静定な構造物として耐震性に優れた薄い鋼床版箱桁としている(4叉式上下部一体構造の3次元断面の鋼床版箱桁橋)。

 意匠デザインは東口駅前広場の設計者である世界的建築家の西沢立衛氏による監修を受け、市電電停上屋(大屋根)と共に描くゆるやかな曲線の美しさは、熊本の玄関口として新しい顔となっている。

橋梁概要

路線名都市計画道路熊本駅帯山線(県道熊本停車場線)
所在地熊本県熊本市春日
橋長(北側)86.8m、(南側)101.4m
構造形式上下部一体鋼ラーメン橋(鋼床版箱桁橋)
設計荷重
支間長(北側)37.2m+49.6 m、(南側)61.4m+40.0m

所在地

天城橋

 熊本県の上天草市と宇城市を一跨ぎでつなぐ天城橋が、平成30年5月20日に開通しました。

 天城橋は、無料で通行できる自動車専用道路「三角大矢野道路(L=3. 7km)」の一部を構成しており、そのデザイン選定にあたっては、コスト面に加え、連続トラス橋として建設当時世界一を誇った天門橋との調和も考慮し決定しています。

 天城橋の架設方法は、アーチ部材:ケーブルエレクション斜吊工法、補剛桁:台船曳航直下吊工法、PC桁:片持架設工法を採用しており、なかでもケーブルエレクション斜吊工法では、地上高88m、鉄塔間500mにもなる国内最大級のケーブルクレーンを使用し架設を行いました。

 天草地域の陸上交通は、架設後50年を経過した天草五橋で構成する国道1本に依存しており、天城橋の開通によって、交通渋滞の緩和、災害時のリダンダンシー確保等の効果はもちろんのこと、天門橋とともに地域の新たなシンボルとして、末永く親しまれる橋となることを期待しています。

橋梁概要

路線名一般国道266号「三角大矢野道路」
所在地熊本県上天草市大矢野町登立~宇城市三角町三角浦
橋長463.0m
構造形式鋼PC複合中路式ソリッドリブアーチ橋
設計荷重B活荷重
支間長8.0m+362.0m+53.0m(アーチ支間350m)

所在地

内藤橋

 本路線は、福岡県大牟田市を起点とし、熊本市北区植木町の国道3号に至る重要な幹線道路で、本路線にある内藤橋は菊池川を渡河する玉名郡和水町に位置しています。近隣には、九州縦貫自動車道の菊水インターがあり、玉名市及び荒尾市方面からのインターへのアクセス道路としても重要な路線です。昭和初期に完成した旧橋は、幅員が6m程度と狭く大型車の離合が困難であり、自転車・歩行者の安全な通行にも支障をきたしていました。また、完成後50年以上が経過し、老朽化が著しく、地元からも早急な架け替えが望まれていました。

 架け替えにより、安全で円滑な交通が確保され、和水町及び玉名地域の産業経済、観光産業の活性化に寄与しています。

橋梁概要

路線名主要地方道大牟田植木線
所在地熊本県玉名郡和水町
橋長225m
構造形式PC4径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大61m

所在地

宇城小川跨線橋

 宇城小川跨線橋は、宇城市内の道路網を担う一般県道竜北小川停車場線のバイパス整備の一部で、JR鹿児島本線を跨ぐ橋長216.2mの橋梁です。

JR鹿児島本線により東西に分断された地域を連絡し、また従来の現道踏切の混雑解消など地域の活性化、安全で円滑な交通の確保を目的として整備しています。

橋梁の上部構造は、JRを跨ぐ径間については、ポステンホロー桁、それ以外の径間はPC中空床版、下部構造は、逆T式橋台、張出し橋脚、基礎構造は、場所打杭基礎としています。JRを跨ぐ区間の上部工及び橋脚2基の施工については、九州旅客鉄道(株)と委託施工の協定を締結し、実施しています。

橋梁概要

路線名一般県道竜北小川停車場線
所在地熊本県宇城市小川町
橋長216.2m
構造形式4径間連続PC中空床版+ポステンホロー桁+4径間連続PC中空床版
設計荷重B活荷重
支間長31.5m

所在地

沖野避溢橋

 本路線は、国道443号を起点とし、山鹿方面に至る管内を南北に縦断する主要な道路です。事業の目的は、熊本都市圏北東部の交通需要増大による交通混雑を解消し、武蔵ヶ丘東ニュータウン(光の森)及びセミコンテクノパークへのアクセス強化です。

 本橋は、堀川の調整池である沖野遊水地に架かる鋼3径間連続非合成鈑桁橋であり、鋼桁には耐候性鋼材を使用し無塗装仕様とすることで、ライフサイクルコストの低減を図りました。架設方法は、トラッククレーン・ベント架設工法を採用しました。

橋梁概要

路線名一般県道辛川鹿本線
所在地熊本県合志市福原地内
橋長147m
構造形式鋼3径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長49m

所在地

西里大橋

 熊本西環状道路は、熊本市南区砂原町と北区下硯川町を結ぶ、延長約12kmの道路で、6箇所のインターチェンジから出入りを行う自動車専用道路です。平成29年3月に、花園IC ~下硯川IC間約4kmが開通しました。

 この橋梁は、開通区間のうち和泉IC ~下硯川IC間に位置しており、JR鹿児島本線や二級河川井芹川、主要地方道熊本田原坂線を跨ぐ、橋長929m計18径間のPC橋です。下部工形式は、逆T式橋台、張出式橋脚及び壁式橋脚とし、基礎形式は、場所打ち杭、深礎杭及び直接基礎です。また、上部工は中央部(7径間)が連続ラーメン箱桁を片持架設工法で施工し、両端部(和泉IC側6径間、下硯川IC側5径間)が連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)を架設桁架設工法で施工しています。

 花園IC ~下硯川IC間の開通により、周辺の幹線道路では1割程度の交通量減少があったとともに、熊本市北部方面から熊本市役所までの移動時間が約9分短縮されるなど、交通混雑の緩和や安全性・走行性の向上、災害時の代替機能強化などによる地域の発展が期待されます。

橋梁概要

路線名熊本西環状道路一般県道 砂原四方寄線
所在地熊本市北区硯川町
橋長929m(下記構造形式順:261m+460m+208m)
構造形式PC6径間連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)PC7径間連続ラーメン箱桁橋、PC5径間連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)
設計荷重B活荷重
支間長最大72m

所在地