丸尾滝橋

 一般国道223号は、霧島屋久国立公園の霧島温泉郷を経由して、宮崎、鹿児島両県を結ぶ重要な観光道路です。その中で小谷地区から丸尾地区にかけての本地区は、鹿児島県を代表する観光地である霧島温泉郷から、霧島神宮やえびの高原に通じる重要な観光道路の一部となっています。しかし、これまでの道路の幅員は6mと狭小で歩道もなく、急カーブが連続し交通安全上の問題も多い箇所で早期の改良を求められていました。

 丸尾滝橋は、平成13年度に霧島屋久国立公園第2種特別地域内に計画され、架橋位置が急峻な山岳地形で温泉腐食環境下(高温地熱・強酸性土壌・火山性ガス)で建設するために様々な施工課題を克服し、現道における崖崩れ等の交通傷害を解消し、平成27年3月に開通しました。

 温泉腐食環境下に位置する本橋は、橋脚の基礎工には化学腐食性環境に有効であることが確認されているシラスコンクリートを基礎杭として採用したことも特色です。

橋梁概要

路線名一般国道223号
所在地鹿児島県霧島市牧園町丸尾
橋長302m
構造形式PC3径間連続曲線ラーメン箱桁橋+PC2径間連続曲線Tラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長58.95m+95.00m+64.20m+40.10m+40.20m

所在地

岩尾大橋

 一般国道327号は、宮崎県日向市から美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る地域の産業・経済を支えるほか、緊急輸送道路としても重要な道路です。当路線は、椎葉村などの中山間地域と日向入郷圏域の地方拠点都市である日向市を結ぶ唯一の幹線道路でありますが、連続雨量200mmの事前通行規制区間で線形が悪く幅員も狭小であることから、大型車の離合はもとより、一般車両の通行にも支障をきたしているため、安全で円滑な通行の確保を図ることを目的とされ、整備されました。

岩尾大橋は、トラッククレーンベント工法により架設を行いました。

橋梁概要

路線名一般国道327号
所在地宮崎県東臼杵郡椎葉村大字松尾
橋長115.0m
構造形式鋼2径間連続鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長56.6m

所在地

佐賀大橋

 佐賀大橋は、福岡県筑紫郡那珂川町と佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の県境に位置する、一般国道385号の橋梁です。一般国道385号は、福岡県柳川市を起点として、久留米市、佐賀県神埼市などを経由して福岡市に至る幹線道路となっています。本橋は、福岡都市圏の水道用水の確保、洪水調節及び異常渇水時の緊急補給などを目的とした五ヶ山ダムの建設に伴い、一部水没する国道385号の付け替えのため、平成20年度からダム貯水部を跨ぐ橋梁工事に着手し、平成24年度に供用しました。佐賀大橋は橋長338.0m、上部構造は鋼6径間連続箱桁橋、下部構造は張出式橋脚及び逆T式橋台となっています。基礎構造は、橋脚部に直接基礎、橋台部には深礎杭を採用しています。上部工架設はクレーンベント工法により施工しました。

橋梁概要

路線名一般国道385号
所在地福岡県筑紫郡那珂川町~佐賀県神埼郡吉野ヶ里町
橋長338.0m
構造形式鋼6径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.0+55.0+65.0×2+60.0+48.0m

所在地

宗麟大橋

 都市計画道路「庄の原佐野線」は、東九州自動車道や都市内道路と一体的に機能し、地域間の連携と都市活動の活性化を目的とした、大分市内の東西骨格軸となる幹線道路で、大分ICから都市計画道路 下郡中判田線までの約6. 0kmの区間が、地域高規格道路「大分中央幹線道路」に指定されています。「宗麟大橋」を含む約1.2km区間は、「元町・下郡工区」として平成20年度に事業着手し、平成30年1月に供用開始しました。なお、大分川河口部にかかる橋梁では、約半世紀ぶりの新設となるため、開通イベントには、約5,000名の県民の参加があり、交通渋滞の緩和や高速道路へのアクセス、さらには、災害時の緊急輸送道路の役割に対する期待の高さを実感したところです。当橋梁の上部工は、架設位置での河川断面の特性によって異なる架設方法を採用しており、高水敷部では、「トラッククレーンベント工法」、低水路部では、ベント設備が設置できないため桁の前部に手延機を継ぎ足し、順次後方ヤードで桁を組み立てながら送り出していく「手延式送出工法」の架設工法を採用しました。

 なお、この橋梁名「宗麟大橋」は、県民を対象に一般公募し、約1700件の応募の中から決定したものです。

橋梁概要

路線名都市計画道路 庄の原佐野線(主要地方道 大分臼杵線)
所在地大分県大分市大分
橋長349.9m
構造形式鋼6径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長57.25m+4@58.25m+57.25m

所在地

小郡JCTLランプ二号線

 小郡JCTは、地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」の一部を構成する山口宇部道路の流通センターIC~長谷IC間に位置し、山口宇部道路と中国縦貫自動車道(以下、「中国道」という)を8つのランプで連結するものです。6つの橋梁により中国道や市道と立体交差する構造となっており、平成24年度から工事に着手し、平成28年3月27日に供用開始を行いました。

このうち、「小郡JCTLランプ二号橋」は、中国道や市道等を跨ぐ橋長83.0mの橋梁であり、上部工については、山口県が桁の製作を行い、山口県と委託契約を締結した西日本高速道路(株)が中国道の山口JCT~美祢東JCT間を夜間通行止めし、550tクレーンにより架設を行いました。架設時は、通行止めした中国道本線上で見学会が開催され、地元住民や学生等、約160人の参加がありました。

橋梁概要

路線名山口宇部道路小郡JCT(主要地方道山口宇部線)
所在地山口県山口市小郡上郷
橋長83.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長45.3m+36.3m

所在地

跡江高架橋

 主要地方道宮崎西環状線は、宮崎環状道路の一部を構成する路線であり、宮崎市中心部に流入する通過交通を排除・分散し、中心部の混雑を緩和する役割を担う重要な幹線道路です。

 跡江高架橋は、宮崎西環状線において、県道南俣宮崎線を跨ぐ橋長210.0m、幅員18.0m、最大支間長45.0mの橋梁で、平成22年度から下部工に着手し、平成27年2月に供用開始しました。架設工法は、ベント併用トラッククレーン架設で、県道部分を跨ぐ支間は、夜間全面通行止めにより施工しました。

橋梁概要

路線名主要地方道 宮崎西環状線
所在地宮崎県宮崎市大字跡江
橋長210.0m
構造形式鋼5径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長34.1m+3@45.0+39.1m

所在地

相生橋

 主要地方道宮崎西環状線は、地域高規格道路宮崎環状道路(候補路線)の一部を構成する路線であり、市中心部に流入する通過交通を排除・分散し、中心部の混雑を緩和する役割を担う重要な幹線道路です。

相生橋は、宮崎西環状線において、一級河川大淀川を渡河する橋長412.3m、有効幅員22.0m、最大支間長130.0mの橋梁で、平成21年度から橋梁整備に着手し、平成27年2月10日に供用開始を行いました。本橋は、上部構造にコンクリートウェブを軽量な波形鋼板に置き換えた波形鋼板ウェブPC箱桁橋を採用しており、橋脚頭部より移動作業車による片持架設工法で施工を行いました。

相生橋周辺には、東九州自動車道の宮崎西インターチェンジやプロ野球のソフトバンクホークスがキャンプを行う「生目の杜運動公園」などがあり、相生橋の開通により安全で円滑な交通の確保と地域の発展に大きな期待が寄せられています。

 

橋梁概要

路線名主要地方道宮崎西環状線
所在地右岸:宮崎県宮崎市大字跡江、左岸:宮崎県宮崎市大字瓜生野
橋長412.3m
構造形式4径間連続波形鋼板ウェブPC箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長130.0m

所在地

泊野9号橋

 一般国道504号の「北薩横断道路」は、鹿児島空港と鹿児島県北薩地域を結ぶ延長約70kmの地域高規格道路で、その中で泊野道路は薩摩郡さつま町から出水市に至る約9kmの道路改築事業で、長大トンネルと11つの橋梁を整備しています。

 「北薩横断道路」は、九州縦貫自動車道や南九州西回り自動車道などと一体となった広域交通ネットワークにより、鹿児島空港へのアクセス向上や交通隘路区間の回避を目的とした事業です。

 泊野9号橋は、橋長299m、幅員9.5mの橋梁で平成21年度から着手し、平成26年度末に完成しました。また、泊野道路については、平成30年度の供用開始で、安全で円滑な交通の確保と地域の発展に大きな期待が寄せられています。

橋梁概要

路線名一般国道504号
所在地鹿児島県薩摩郡さつま町泊野
橋長299.0m
構造形式PC7径間連結コンボ桁橋
設計荷重B活荷重
支間長41.10m+5@41.7m+41.10m

所在地

片峰橋

 主要地方道野母崎宿線は、長崎半島の東側を通り、旧野母崎町から長崎市宿町を結ぶ、地域の生活、産業、観光を支えている延長約43kmの路線です。片峰橋は、その路線の中で長崎市飯香浦町に位置し、幅員が狭小で線形も悪く交通に支障をきたしていた区間において、円滑な交通の確保や交通安全の向上を目的とし整備を行った橋長180m、最大支間長43.6m、有効幅員9.0mの橋梁です。本橋は、沿岸部の谷部にある集落付近に架かる橋梁であるため、景観・維持管理・経済性等を考慮し、コスト縮減も図れるPC4径間連結ボステンT桁(少主桁)を採用。橋脚形式については、維持管理しやすい張出橋脚形式とし、柱形状は矩形断面を採用しています。また、高橋脚のため経済性、構造性に優れる中空断面を採用しコスト縮減を図っています。施工については、平成22年度に下部工に着手。平成24年度からは、上部工に着手し、平成25年度に完成しました。上部工は、架設桁架設工法により施工を行いました。

橋梁概要

路線名主要地方道野母崎宿線
所在地長崎県長崎市飯香浦町
橋長180.0m
構造形式PC4径間連結ポステンT桁(少主桁)橋
設計荷重B活荷重
支間長最大43.6m

所在地

有帆川大橋

 有帆川大橋は、地域高規格道路「山口宇部小野田連絡道路」延長約40kmの一部を構成する小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)のうち有帆川を渡る橋長478mの橋梁です。小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)は、重要港湾小野田港、山陽自動車道小野田インターチェンジ等の広域交通拠点へのアクセス性向上や宇部・山陽小野田地域の連携強化、旧小野田市街地内の慢性的な交通渋滞の緩和等を目的に整備を進めてきたものです。有帆川大橋の上部工はPC5径間連続箱桁橋、下部工は鋼管矢板基礎張出式橋脚となっています。各橋脚に至る仮桟橋を設置したうえで、下部工を施工し、上部工は、橋脚頭部より移動作業車を用いた場所打ち張り出し架設工法で施工を行いました。

橋梁概要

路線名小野田湾岸道路(県道妻崎開作小野田線)
所在地山口県山陽小野田市大字小野田~大字東高泊
橋長478m
構造形式PC5径間連続箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長68.65m+3@113m+68.65m

所在地