有明嘉瀬川大橋

 平成23年3月6日に有明海沿岸道路(佐賀福富道路)の嘉瀬南IC~久保田IC間(約1.7km)が開通しました。この区間にある有明嘉瀬川大橋は、嘉瀬川を渡る全長710mの自動車専用道路橋で、渡河部は281mのPCラーメン箱桁橋、両岸のアプローチ部は237.5mと191.5mの連続鈑桁橋です。

 橋梁の設計にあたっては、学識経験者を含めた設計検討会を開催し軟弱な有明粘土の地盤定数を決定するなど合理的な設計に努めコスト縮減を図りました。

橋梁概要

路線名国道444 号 有明海沿岸道路(佐賀福富道路)
所在地佐賀市嘉瀬町~久保田町
橋長710.0m
構造形式鋼8径間連続非合成鈑桁(右岸高架橋)
PC3径間連続ラーメン箱桁(渡河部)
鋼6径間連続非合成鈑桁(左岸高架橋)
設計荷重B活荷重
支間長最大 121.0m

所在地

真申川橋

 真申川橋は高規格幹線道路網の一環として計画された西九州自動車道の一部である佐々佐世保道路(長崎県北松浦郡佐々町~同県佐世保市)に建設されたものです。

 佐々佐世保道路は国土交通省長崎河川国道事務所で事業を進めており、平成22年3月20日には相浦中里IC~佐世保中央IC間(L=5.0km)が供用を開始しています。長崎県北部の都市を結ぶことで、地域経済・産業の活性化と発展に寄与でき、また国道204号や国道35号等、既存の道路の混雑が緩和され、交通安全の確保に寄与することが期待されます。

本橋は佐々IC~相浦中里IC間(L=34.0km)にあり、橋長365m、最大支間長100mのPC2径間+PC3径間連続ラーメン箱桁橋で、国道204号(16,152台/日)、佐世保市道田原棚方線 (2,741台/日)及び普通河川真申川を跨いでおり、佐々佐世保道路において最も支間長の長い橋梁となっています。

P1橋脚、P4橋脚においては斜面上に設置されるため、施工性、経済性、周辺への影響等を検討し基礎工に大口径深礎(小8.5m)を採用しています。

上部工架設作業にあたっては、移動作業車、資材、仮設材の落下からの第三者への安全確保に配慮が求められ、移動作業車の確実な落下防止対策や、資材の落下防止のため足場を全面メッシュシートで覆う等、安全対策に細心の注意を払い施工を行いました。更に国道204号上での中央閉合にあたっては、交通への影響にも配慮し、吊り足場による作業ではなく移動作業車を用いて行い、平成22年7月に完成しました。

橋梁概要

路線名西九州自動車道佐々佐世保道路
所在地長崎県佐世保市下本山町
橋長365.0m(143.0m + 222.0m)
構造形式PC2径間+PC3径間連続ラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長71.5m+71.5m、61.0m+100.0m+61.0m

所在地

沖野避溢橋

 本路線は、国道443号を起点とし、山鹿方面に至る管内を南北に縦断する主要な道路です。事業の目的は、熊本都市圏北東部の交通需要増大による交通混雑を解消し、武蔵ヶ丘東ニュータウン(光の森)及びセミコンテクノパークへのアクセス強化です。

 本橋は、堀川の調整池である沖野遊水地に架かる鋼3径間連続非合成鈑桁橋であり、鋼桁には耐候性鋼材を使用し無塗装仕様とすることで、ライフサイクルコストの低減を図りました。架設方法は、トラッククレーン・ベント架設工法を採用しました。

橋梁概要

路線名一般県道辛川鹿本線
所在地熊本県合志市福原地内
橋長147m
構造形式鋼3径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長49m

所在地

赤滝大橋

 国道491号は下関市から長門市へ至る国道で、山口県を南北に結ぶ幹線道路です。

 赤滝大橋は国道491号の豊田油谷バイパスの一部であり、大坊ダムのダム湖を渡河する橋長120m、有効幅員10.75mの鋼下路式トラスドランガー桁橋です。

 総鋼重は638tで、耐候性鋼材を使用することにより、塗装にかかるライフサイクルコストを抑えています。

架設工法は、両端に設置した鉄塔間にケーブルを渡し、部材を吊り上げて本体組み立てを行う、ケーブルエレクション(直吊り)工法を採用しています。

橋梁概要

路線名一般国道491号
所在地山口県長門市油谷河原
橋長120m
構造形式鋼下路式トラスドランガー桁橋
設計荷重B活荷重
支間長118m

所在地

西里大橋

 熊本西環状道路は、熊本市南区砂原町と北区下硯川町を結ぶ、延長約12kmの道路で、6箇所のインターチェンジから出入りを行う自動車専用道路です。平成29年3月に、花園IC ~下硯川IC間約4kmが開通しました。

 この橋梁は、開通区間のうち和泉IC ~下硯川IC間に位置しており、JR鹿児島本線や二級河川井芹川、主要地方道熊本田原坂線を跨ぐ、橋長929m計18径間のPC橋です。下部工形式は、逆T式橋台、張出式橋脚及び壁式橋脚とし、基礎形式は、場所打ち杭、深礎杭及び直接基礎です。また、上部工は中央部(7径間)が連続ラーメン箱桁を片持架設工法で施工し、両端部(和泉IC側6径間、下硯川IC側5径間)が連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)を架設桁架設工法で施工しています。

 花園IC ~下硯川IC間の開通により、周辺の幹線道路では1割程度の交通量減少があったとともに、熊本市北部方面から熊本市役所までの移動時間が約9分短縮されるなど、交通混雑の緩和や安全性・走行性の向上、災害時の代替機能強化などによる地域の発展が期待されます。

橋梁概要

路線名熊本西環状道路一般県道 砂原四方寄線
所在地熊本市北区硯川町
橋長929m(下記構造形式順:261m+460m+208m)
構造形式PC6径間連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)PC7径間連続ラーメン箱桁橋、PC5径間連結ポストテンション方式T桁橋(少主桁)
設計荷重B活荷重
支間長最大72m

所在地

豊田ほたる大橋・豊田ほたる橋

 一般国道435号は、山口市を起点として、下関市豊北町に至る重要な幹線道路です。

 しかしながら、山口県美祢市から下関市豊田町の区間は、現道の幅員が狭く、線形も悪いことなどから、これらの課題を解消し、地域住民の安心・安全の確保を図るため、トンネル1本と橋梁7本からなる約5.4kmバイパスとして整備を進め、平成29年12月に供用しました。

 このうち、「豊田ほたる大橋・豊田ほたる橋」は、PC2径間連続ラーメン箱桁橋+PC単純コンポ桁橋からなる橋長155mの橋梁で、上部工は張出架設工法及び、架設桁架設工法を採用しました。

 また、橋脚の施工では、斜面の掘削範囲の抑制、工事費の低減等を図るため、竹割り土留め工法を山口県工事として初めて採用しました。

 当該バイパスの供用により、下関市北部の水産拠点である特牛(こっとい)港や、山口県有数の観光スポットである角島・角島大橋へのアクセス性の向上が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与しています。

橋梁概要

路線名国道435号
所在地山口県下関市豊田町大字矢田
橋長155m(110m+45m)
構造形式PC2径間連続ラーメン箱桁橋+PC単純コンポ桁橋
設計荷重B活荷重
支間長54.05m+54.25m+43.6m

所在地

諏訪川橋

 諏訪川橋は、福岡県大牟田市を起点とし佐賀県鹿島市に至る約55kmの有明海沿岸道路の一部をなし、大牟田市内を流れる諏訪川を横過するニールセンローゼ橋(バスケットハンドル型)です。

 本橋梁は、終点側に位置する健昭橋(ニールセンローゼ橋、橋長201.0m)と共に地域のシンボル的な存在であり、平成23年6月に完成し翌年の平成24年1月に供用を開始(三池港IC~大牟田IC)しました。

 特徴としては、橋梁区間にR=2,000mの平面曲線が入っており、橋梁形式上の制約から道路幅員19.5mに対し補剛桁幅を29.0mと広くする必要があり、アーチ部材にバスケットハンドル式(頂部のアーチ部材間隔を狭めたもの)を採用することによりストラット重量を軽減しました。

架設は、ケーブルクレーンと斜吊りを併用したケーブルエレクション斜吊工法を採用しており、この橋梁形式では国内最大級の設備となりました。

橋梁概要

路線名有明海沿岸道路
所在地福岡県大牟田市西港町~岬町地内
橋長210.0m
構造形式鋼単純ニールセンローゼ橋(バスケットハンドル型)
設計荷重B活荷重
支間長207.7m

所在地