六角川大橋

 佐賀福富道路は有明海沿岸道路の一部を構成し、並行する一般国道444号の交通渋滞及び交通隘路区間の回避を目的とした延長約10.5kmの高規格道路です。嘉瀬南ICから芦刈南ICまでの6.5km区間は平成27年度までに開通しており、六角川大橋を含む芦刈南ICから福富ICまでの3.5km区間は令和3年7月に開通しました。

 六角川大橋は一級河川六角川を渡河する橋長982.0mの橋梁で、平成26年度に着手し、令和3年に完成しています。

 当該橋梁の架設にあたっては分割した桁を台船で現場へ輸送し、600t吊りの起重機船を用い施工しました。その際、有明海が日本一の干満差を有し、1回当りの作業時間が約4時間という厳しい時間的制約の中での施工を行っています。

 当該道路の整備により沿線地域における人・モノの交流が促進され、産業や観光の振興、災害発生時の救急・救援物資の輸送機能を強化、医療施設への救急搬送時間が短縮され、暮らしの向上に寄与することを期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道444号 有明海沿岸道路(佐賀福富道路)
所在地佐賀県小城市芦刈町大字永田~佐賀県杵島郡白石町福富下分
橋長982.0m
構造形式(左岸側)鋼4径間連続非合成鈑桁×2
(渡河部)鋼4径間連続鋼床版箱桁
(右岸側)鋼5径間連続非合成鈑桁
設計荷重B活荷重
支間長35.12m+35.75m+35.75m+35.25m+34.65m+35.3m
+40.2m+39.225m+107.25m+190.0m+114.0m+75.225m
+38.85m+40.0m+40.0m+40.0m+39.25m

所在地

第一横瀬橋

 小郡萩道路は、県央の交通拠点である山口市小郡、県の主要観光地である秋吉台、山陰の中心都市である萩市を結び、中国縦貫自動車道等を連結することにより高規格道路ネットワークを形成する、延長約30kmの地域高規格道路です。

 平成23年に暫定2車線にて中国縦貫自動車道美祢東JCT~絵堂IC間の約13kmを供用開始したところであり、引き続き絵堂IC~山陰道萩IC間の約15kmについて、一般国道490号絵堂萩道路として平成26年度から事業を推進しています。このうち約9kmについては別線バイパスの自動車専用道路として、約6kmについては現道を活用することとして整備をしています。

 当該道路には14橋の橋梁を計画しており、この「第一横瀬橋」は急峻な山地の沢部を跨ぐ延長84mの鋼2径間連続非合成鈑桁橋で、上部工はトラッククレーンベント工法により架設を行いました。

 当該橋梁は縦断勾配4%の長い上り勾配の区間に位置していることから、車線構成としては片側1車線の車道に加え上り車線には付加追越車線を有しています。

 引き続き他の橋梁やトンネルの整備を推進し、当該道路を供用させることで県央部と山陰地域の交流促進、空港や新幹線駅などの広域交通拠点との連携強化、観光ネットワークの形成が図られ、産業・観光の振興や地域の活性化に大きく寄与すること期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名一般国道490号絵堂萩道路
所在地山口県萩市大字明木
橋長84.0m
構造形式鋼2径間連続非合成鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大41.0m

所在地(正確な位置不明)

九折瀬橋

 一般国道445号は、熊本県熊本市中央区から人吉市に至る路線で、このうち八代市泉町椎原から球磨郡五木村大平の区間は川辺川ダム事業に伴う付替道路工事に併せて幅員狭小・線形不良の隘路区間を解消し、安全で円滑な交通の確保を目的に昭和57年度から全体延長10km、幅員7.0m(2車線)の道路改良工事を進めてきました。

 九折瀬橋(つづらせはし)は、一級河川球磨川水系川辺川を跨ぐ橋長105.0mの橋梁です。上部工は鋼単純下路式ニールセンローゼ橋を採用し、吊り材にケーブルが使用されているためオープンな視界が確保され、アーチの曲線により美観に優れていることやアーチの主構面を互いに傾斜させるバスケットハンドル形式にすることで耐震性の向上および上横構部材の短縮による工事費の低減を図りました。

 また桁の防食仕様については塗替サイクルに着目し、塗り替えが必要な塗装ではなくメンテナンスフリーの耐候性鋼材を採用することでライフルサイクルコストの低減を図りました。

 九折瀬橋の工事については、桁下が川辺川で谷地形となっているため、高度な技術力が必要となるケーブルエレクション工法により架設作業を行い、令和3年3月に工事が完了しました。

 当該バイパスについては現在も事業を進めており、安全で円滑な交通の確保による地域の発展に寄与するものと期待しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名一般国道445号
所在地熊本県球磨郡五木村九折瀬地内
橋長105.0m
構造形式鋼単純下路式ニールセンローゼ橋
設計荷重B活荷重
支間長最大103.1m

所在地

早津江川橋

 有明海沿岸道路は福岡県大牟田市から佐賀県鹿島市に至る地域高規格道路で、重要港湾三池港、九州佐賀国際空港などの広域交通拠点と有明海沿岸地域の都市群を連携するとともに、一般国道208号の交通混雑の緩和及び交通安全の確保を目的としており、現在37.5km(福岡県27.5km、佐賀県10.0km)が開通しています。

 大野島IC~(仮称)諸富IC間に位置する早津江川橋は隣接する筑後川橋と同様に1本のアーチリブが支点上で2本に分岐するアーチ橋を採用しています。本橋のデザインコンセプトは「三重津海軍所跡に馴染む緩やかなラインが美しく見える橋」で、透過性を高めるためにシンプルな1連(単弦)アーチを採用することで周辺環境と調和させています。また、下から見た時に圧迫感がないよう橋桁高さを抑え、さらに、三重津海軍所跡に橋脚を設けない構造を採用しています。

 シンボルであるアーチは、六角形断面にすることで様々な角度から光の陰影で変化します。橋桁の塗装色は、周辺に緑が多い場所であるため緑を基調とした「薄い裏葉色」にしています。

※裏葉色(うらはいろ)とは…木の葉や草の葉裏のような淡くくすんだ薄緑色のこと。別に「うらばいろ」ともいいます。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道208号有明海沿岸道路
所在地福岡県大川市大野島地先~佐賀県佐賀市大字諸富地先
橋長448.0m
構造形式鋼4径間連続中路式アーチ橋
設計荷重B活荷重
支間長最大150.0m

所在地

春の町ランプ橋(仮称)

 国道3号黒崎バイパスは、福岡県北九州市八幡東区西本町から同市八幡西区陣原を結ぶ延長5.8kmの片側2車線の自動車専用道路です。平成3年度から事業着手し、平成20年10月に黒崎北ランプ~陣原ランプ(2.9km)が部分供用した後、数度の部分供用を経て、平成24年9月に北九州都市高速道路と接続し5.2kmが供用したことで、北九州市内の自動車専用道路ネットワークの一部としても機能しており、沿道地域への企業立地の進展など地域産業の活性化を促進しています。

 起点側で国道3号に接続する春の町ランプでは、春の町ランプ橋(国道高架部L=290.5m、JR部(オンランプL=267m、オフランプL=329m))により国道3号、JR鹿児島本線、北九州都市高速道路を跨いでいます。JR上の架設は桁長さ約100m、重量400t超の桁となり日本に数台しかない3,000t級クレーンを使用して架設しており、JR上空を長大スパンの桁をクレーンで架設する方法は非常に珍しく綿密な計画と確実な施工が要求されました。本橋は桁部分の施工は完了しており、開通に向けて橋面工の施工を進めています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道3号黒崎バイパス
所在地福岡県北九州市八幡東区西本町~東田
橋長【オンランプ】557.5m(125.5m+165m+267m)
【オフランプ】619.5m(125.5m+165m+329m)
構造形式【オンランプ】:鋼3径間連続非合成箱桁+PC5径間連結ポストテンション方式T桁+鋼4径間連続鋼床版箱桁
【オフランプ】:鋼3径間連続非合成箱桁+PC5径間連結ポストテンション方式T桁+鋼5径間連続鋼床版箱桁
設計荷重B活荷重
支間長【オンランプ】最大59.5m、最大36.0m、最大99.0m
【オフランプ】最大59.5m、最大36.0m、最大81.0m

所在地

川水流橋

 主要地方道北方北郷線は、延岡市北方町を起点とし美郷町北郷に至る幹線道路であり、第1次緊急輸送道路に指定される重要路線であります。

 宮崎県、大分県、熊本県を流れる一級河川五ヶ瀬川を渡河する旧川水流橋は昭和42年の架橋であり、主桁や桁端部などの劣化が著しく進行していることから架替えを行うこととしました。

 川水流橋は令和元年度から下部工に着手し、令和4年12月に供用開始しました。本橋梁の下部工6基の内2基はニューマチックケーソン基礎ですが、当初想定してない中硬岩が一部に出現し発破掘削が必要となるなど難易度の高い工事でした。

 今回の架替えにより耐震化が図られたほか、通学路でもあることから2車線に歩道を確保した幅員9.0mとし、旧橋幅員4.5mに比べ車同士のすれ違いが可能となるなど、緊急輸送道路としての機能向上および安全安心な交通の確保に大きく寄与するものと期待されます。

※写真提供:

橋梁概要

路線名主要地方道北方北郷線
所在地宮崎県延岡市北方町大字卯
橋長273.4m
構造形式鋼5径間連続非合成箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長60.6m+60.0m+54.5m+51.2m+45.0m

所在地

櫓木川橋(仮称)

 南九州西回り自動車道熊本県八代市を起点とし、熊本県水俣市、鹿児島県出水市及び鹿児島県薩摩川内市を経由して鹿児島県鹿児島市に至る延長140kmの自動車専用道路で現在103kmが供用中です。上記道路の一部をなす芦北出水道路(延長29.6km)は平成5年度から着手し、平成30年度まで水俣ICまで暫定2車線で供用し、芦北水俣地域の観光産業等の活性化に寄与しています。

 芦北出水道路の袋IC(仮称)~出水北IC(仮称)間に位置する櫓木川橋(仮称)は2級河川櫓木川及び市道等を横断する橋梁です。架設工法は鹿児島県側からの架設桁架設工法ですが、最大高さ約21mのハイピアを有する橋梁であり、さらに近接して民家が点在する状況での施工でした。周辺への安全を考慮して二組桁架設工法を採用して桁の転倒落下防止対策の実施や、パネル式桁下足場等を採用して墜落・落下防止対策の実施など周辺住居への配慮や作業員の安全に十分注意して施工を実施し、令和3年12月に完成しました。

※写真提供:

橋梁概要

路線名南九州西回り自動車道 芦北出水道路
所在地鹿児島県出水市境町
橋長287.0m
構造形式PC8径間連結ポストテンション方式T桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大36.7m

所在地

春吉橋

 春吉橋は福岡県福岡市中心部に位置する国道202号(通称:国体道路)で、 二級河川那珂川を渡河する橋梁です。架設後60年以上経過した橋梁で、海が近いため「塩害」による下部工の損傷、基礎が木杭のため耐震性に十分な期待ができないこと及び、河川幅・橋脚の間隔の狭さによる治水上の課題解決のため、第一次緊急輸送道路としての安全性・信頼性を確保するため架替えました。

 架替えにあたっては周辺はビルなどの建物が立つ狭隘な施工ヤードであったことから、P1橋脚施工時に設置した仮橋を残し、本線上部工の地組を行いP1~A2下流上部工の架設。架設した上部工を再度地組ヤードとして活用しP1~A2上流側上部工の架設。架設されたP1~A2間を活用してA1~P1の架設が行われました。

 春吉橋の架橋位置が博多と天神の二つの拠点を結ぶクロスポイントとなることから、立地的なポテンシャルを生かした「春吉橋賑わい空間」として活用するため、通常撤去する迂回路橋を永久橋として建設しています。

 本橋のデザインコンセプト「ひと・まちを結び、賑わいを創出する『新たな春吉橋』」を踏まえて、圧迫感を抑えたシンプルなデザインや落ち着きのある舗装色とすることで、国体道路、近隣公園、水辺空間などの周辺空間とのつながりや調和が感じられ、賑わいシーンの演出や憩いくつろぐことのできるような様々な利用特性に応じた空間演出と全体的なまとまりの両立を目指しています。また、中洲の夜景に沈み込まないように高欄に景観照明を設置しています。なお、賑わい空間の具体的な計画については福岡市にて検討しています。

※写真提供:

橋梁概要

路線名国道202号
所在地福岡県福岡市博多区中洲1丁目~福岡県福岡市中央区春1丁目
橋長65.2m
構造形式鋼2径間連続鋼床版鈑桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大31.8m

所在地

野田高架橋

 一般県道奥ノ平時津線(時津工区)は長崎市と佐世保市を1時間以内で結ぶ高規格道路「西彼杵道路」の一部区間であり、並行する一般国道206号の交通渋滞及び交通事故が多発していることから渋滞緩和を図ることで物流機能強化や交通事故減少などが期待されています。

 「野田高架橋」は、橋長190.0m、幅員7.0(12.0)m、最大支間長89.0mのPC3径間ラーメン箱桁橋です。

 本橋の張出架設工法による架設にあたっては、縦断勾配が床板上で6%と大きく張出架設時に架設機の左右のバランスが崩れ、逸走や脱線等が生じる恐れがあったことから、架設機に調整レールを増設することにより安全な施工に努めました。

 本橋については令和4年10月末に床板工まで完了しており、現在開通に向けて橋面の施工を進めています。引き続き、本工区の令和4年度の供用に向けて周辺の道路整備を進めていきます。

※写真提供:長崎県

橋梁概要

路線名一般県道奥ノ平時津線(時津工区)
所在地長崎県西彼杵郡時津町野田郷
橋長190.0m
構造形式PC3径間ラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大89.0m

所在地

野間岬海道大橋

 一般国道226号は、南さつま市を起点に薩摩半島外周の各地を経由し県都鹿児島市に至る幹線道路であり、鹿児島県の地域防災計画において「緊急輸送道路」に指定されている重要な路線です。

 沿線は「南さつま海道」として風光明媚な八景が指定されており、リアス式海岸の美しい眺望を楽しむことができます。一方で、海岸線に面して切り立った地形により幅員狭小やカーブが連続しており、落石や崩土による交通規制も度々発生しています。

 笠沙道路は、平成5年から道路改良事業に着手し、8橋の橋梁と1本のトンネルを含む計画延長5.4kmのうち約4.2kmを供用し、現在本橋を含むバイパス部1.2kmを整備しています。本橋は、平面線形R=350m、横断勾配4%、縦断勾配6%の区間に位置し、橋長179mの3径間連続PCラーメン箱桁橋で、上部工は移動作業車による片持架設工法で架設を行いました。

 引き続きバイパス部の整備を推進し、全線の供用開始によって緊急輸送道路としての機能性向上、安心・安全な住民生活の確保と共に、産業・観光の振興に大きく寄与するものと期待しています。「野間岬海道大橋」は地元の声を受け新しく命名しましたが、当該路線のランドマークとして橋名を含め末永く親しんでもらえれば幸いです。

※写真提供:鹿児島県

橋梁概要

路線名一般国道226号 笠沙道路
所在地鹿児島県南さつま市笠沙町大当
橋長179.0m
構造形式3径間連続PCラーメン箱桁橋
設計荷重B活荷重
支間長最大82.0m

所在地